うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

モリエール(Moliere)


ふと手にとってパラパラとめくって読んだ「人間ぎらい」の中にあるセリフにおどろき、帰ってイッキに読み通して以来その世界にハマってしまったモリエール
「人間ぎらい」「タルチュフ」「ドン・ジュアン」はモリエールの三大性格喜劇と言われるらしく、わたしはこれをきっかけに「性格喜劇」「気質喜劇」という言葉の存在を知りました。
ヨーロッパでは16世紀から17世紀にかけて、登場人物が四体液説に基づく「気質」によって動かされるものが流行ったそうで、モリエールの場合は主人公がモーレツに偏った性格の設定ですが、この偏りの極致が「やばい状態なのに、自分で自分のことには気づけない」という状況そのもの。ヨガの用語で言うと「ドーシャ喜劇」って感じがする。


人間ぎらい」の主人公アルセストは、カファをとことんこじらせると、こうなる! という感じ。「ドン・ジュアン」と「守銭奴」の主人公はピッタをこじらせてる。
おもしろいのは、ヴァータのこじれ。これが「タルチュフ」。
本の感想に

「それ、カルトじゃないの? 国内瞑想合宿でその金額って、大丈夫なんかい…」という友人知人の瞳孔開きっぱなしのトークに出くわしたことのある人には、グイグイくる喜劇。

と書きました。


バランスしていない状態って、どういうことだろう。ということをゲラゲラ笑いながら学べるのだけど、ときにハッとせずにはいられない。
自分で自分と向き合うのは疲れるから権威によりかかろう、なーんてい、「資格さえとれば…」みたいな考えかたも「いやいやながら医者にされ」「病は気から」であっさりいじられる。
モリエールの喜劇では召使いの人がかなり鋭いツッコミをします。こういうのはインドの物語にはありえない感じで、独特のおもしろさ。
戯曲ってむずかしいものだと思っていたのに、モリエールの作品はまるでコントの脚本のようです。でも、すごく沁みます。


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