パリに行ってもルーヴルへ行かなかったくせに、行ってきました「ルーヴル美術館展」。
はじめに観る作品は石灰岩に描かれた絵なのだけど、年代に「前1295-前1069」とあり、「リグ・ヴェーダの頃か!」などと思ってはのけぞる。飛鳥時代の仏像が「最近」に感じてしまう。しかも、絵がおしゃれ。わたしはリグ・ヴェーダの頃の人よりぜんぜんセンスがないのだと思ったら健全に落ち込めた。
人は圧倒的に撃沈し健全に落ち込むと、めちゃくちゃ元気になるもののようです。
いろんな場面、いろんな風俗が切り取られていて、「うわー」って20回くらい言っていた気がします。
目録のメモとともに紹介します。
- 7:ジョセフ=マリー・ヴィアン「アモルを売る女」1763年
美しいが設定が気になる。子供を売っているのか?
- 9:フランソワ・デポルト「狩人としての画家の肖像(自画像)」1699年
左手描写がすごい。手って、ほんとうにこうだ、と思う。実物よりも「手」って感じがする。
- 14:マリヌス・ファン・レイメルスウァーレに基づく「徴税吏たち」16世紀
表情がいい。それが何を表わしているかは、当時のその国の人にならないとわからない。
- 24:ヘリット・ファン・ホントホルスト「抜歯屋」1627年
状況も各人の表情もいい。人が歯を抜かれるところを見るって、どんな気分だろう。
- 29:バルトロメ・エステバン・ムリーリョ「物乞いの少年(蚤をとる少年)」1647-1648年頃
子供の足と、足の裏の汚れの描写がリアル。子供の足って、こういうふうに筋肉がついているよなぁ、としみじみ思った。
- 45:ユーディト・レイステル「陽気な集い」1630年
ほんとうに陽気。
- 58:ジョセフ・ヴェルネ「風景、雷鳴」1763-1769年頃
いままさに雷鳴が、という気配を切り取っている感じ。「気配」がリアル。
この乃木坂の展示はそんなに数が多くなくテーマの設定もわかりやすくて、「ああ、芸術って、伝達なんだ」ということがシンプルに響いてきました。
額縁ごとルーブルなので、額縁も見どころです。