うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

男の仕事は外見力で決まる 大森ひとみ 著


タイトルは男性向けなんだけど、スカート&パンプスがネクタイに変わっただけ。
後半にはうなずくことばかり。そしてこの本はいちいちバルザックを引用するのがおもしろい。

「服装に対する無関心は、精神的な自殺行為にひとしい」(32ページ)
「ほころびは一つの不祥事であり、しみは一つの悪徳である」(53ページ)

フランスの小説家はこういうところが大げさでいいよね!
脳内のナレーションが毎回「恋のから騒ぎ」の声になる。



この本は、後半がよいです。

本章でこれから述べていくのは、「表情、姿勢、動作」という、服装以外のマネジメントである。どんな立派な服装をしていても、"陰気そうに見える人" "姿勢が悪く頼りなさそうな人" "何やら落ち着かない人" ……こんな人たちとあなたは仕事をしたいと思うだろうか?
(125ページ)

インド思想には「プラカーシャ」っていう便利な言葉がありまして(笑)。こういう、他者をも明るく照らす智慧みたいなものって、あるんだよなぁ。



そして後半もバルザックが出ます。

「ゆったりした動作には必ず威厳がつきまとう」(138ページ)

ゆったりしたスーリヤ・ナマスカーラには必ず威厳がつきまといます。ドタバタしないでやりましょう。(いいぞバルザック!)


経験則にすぎないが、仕事ができる人は、足運びに無駄がない。靴を引きずって歩いたり、靴音を大きく立てることはしない。
(中略)
歩き方に、迷い、引き返し、無駄な立ち止まりがないのだ。(145ページ)

ヨガは、見た目はワイルドそうだったりボケッとしてても「この人、ポライトな足運びだな」というので内面がわかるのがおもしろい。こういうのに名前をつけたいのだけど、「瞬間的ていねい力」って感じなんだよなぁ。昨日今日の練習では身につかない。ここで書かれていることにも似たものを感じる。


どんなに話の内容が優れていても、語尾が弱い話し方はやはり説得力に欠ける。語尾はしっかり、はっきり話すことが必要だ。(163ページ)

複数人いる場でどこに投げかけているのかわからない話し方にも同じことが言える。「ベクトルと範囲を定めない」というのも、癖のひとつ。


バルザックを読みたくなってしまいました(笑)。
こういう「外見マネジメント」みたいな切り口からヨガをすすめてくれないものかしら。くれないよね。
ヨガいいよぉ〜