うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

大人の水ぼうそう よしもとばなな 著

インターネット上(yoshijmotobanana.com)で公開されたテキスト日記をまとめたもの。横書きのデイリーレポートっぽいものを縦書きで読む違和感が少しある。縦書きになったほうがいい内容のものもあって、そういう違いも楽しんだ。


わたしの大好きな整体ネタがちょこちょこあって、なかでも「野口先生の体癖の本を久々に読み込んだら自分はどこからどう見ても完璧な六種」という記述があったのがおもしろかった。
後の日記に、亀について「亀ってどうしてこんなにかわいいんだろう、といつも思う。呼ぶと出てくるし。ごはんくれっていうし。家に帰ってくると歓迎して出てくるし。超かわいい。」とあって、ザ☆六種! という感じがしたのがまたおもしろかった。



もうひとつ、子育ての話の流れで爆発的におもしろいものがあった。

<5月23日の日記から>
チビが「かわいい声で話してくれたらなんでもいうことを聞く」というので、かわいく優しくとってつけたように高い声で甘く接したら、ほんとうにいい子になった。
しかも「ごめんね、ママちょっといつもこわすぎたのかしら?」と言ったら、「ううん、チビもいつもいたずらをしすぎてるし」などと言っている。
「現実は自分が作るのです」「あなたが宇宙に発信しているものが、あなたに返ってくるのです」とか言いたくなるくらい露骨な……でも、つまり、男子。男子って……。
今頃わかってももう遅いけどね〜。
そしてあまりにかわいい声で優しくしゃべっていたら、自己啓発セミナーに出たあとの気分になった、なんとなく。

男子論と最後のくだりに爆笑。どんなフェミニズムよりもパンチのあるくだり。



こんなに冷めた視線で自身を客観視しつつ、6六種のめんどうな面も保持しているのはおもしろいなぁ。不思議なバランスだなぁ、と思いながら読みました。


よしもとばななさんの他の本への感想ログは「本棚」に置いてあります。


大人の水ぼうそう―yoshimotobanana.com 2009 (新潮文庫)
よしもと ばなな
新潮社
売り上げランキング: 348532