うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

生誕120年 棟方志功展(東京国立近代美術館)

今年の秋はいくつも観たい展示があるなか、この展覧会へ行ってきました。

皇居外周を走っているときに目にする、竹橋駅近くの美術館で開催されています。


平日の悪天候の日に「今だ!」と思って出かけたのですが、年配のかたと外国人でものすごい人の数でした。(皇居の近くだからでしょうか)

 

絵は見たことがあるけれど名前と紐づいていない人にも、「宮沢賢治の “雨ニモマケズ” の字の版画の人」と言えば多くの人がその絵をイメージでき、目をものすごく近づけて木版を彫る丸眼鏡の人、というその様子でも思い出す人の多い作家。

 

前に小諸(長野県)の懐古園へ行ったときに、お蕎麦屋さんに棟方志功のサインだか写真だかがあって(おろ覚え)、お店の人が先代から聞いた話をしてくれました。

ものすごく明るくて周りをハッピーな気持ちにさせる素敵な人だったそうです。

 

このお店でそのお話を聞いて以来、ずっと展覧会へ行きたかったのでした。

 

 

この東京国立近代美術館の展示では、仏教モチーフの版画のほか、キリスト教がモチーフのものや、戦時中に木材が不足した頃に描かれた水彩画、大きな襖絵を見ることができました。

 

 

この作家の手に掛かると、キリストはこうなる。「基督の柵」

 

 

 

こちらは、1972年にインド旅行に行き、カジュラホの男女交合像(ミトゥナ像)を観て帰国後に描いた作品です。おっぱいが印度型(球体まん丸!)になっています。

 

 

 

昨年、神戸文学記念館で谷崎潤一郎作品だけ観ていたのですが、ほかの文学作品の装画や題字もいいんですよね・・・。
アメリカの詩人ウォルト・ホイットマンの詩を掘ったアルファベットの作品では「S」を間違えて反転して彫ったものがあったりして、それもまた絶妙なバランスで。


戦後の好景気で大型の建築物が多くなり、そこに収められた大型作品もありました。
渡米時代のカラフルな作品もあり、青森の版画家・棟方志功以外の面を多く知ることができました。
混んでいても、観てよかったと思う大型作品がたくさんあったので、それでもやっぱりおすすめです。

 

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