うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

静観していたら事態を正すための連絡がきた

かなり前のこと。住まいを変えたときのこと。以前の住まいを出るときに、上の階からの水分がトイレの天井に沁みてきている丸いシミがあって、退去時に確認をしたときの立会い担当者は「これは通常使用というか、そもそも天井なんて触りませんからね」ということで確認をすませて退去した。

その後3ヶ月が過ぎても敷金についての連絡がないので電話をしてみたら、「あの天井の修理費は状況を伝えなかったあなたの伝達義務の怠りによるものということになっている」とのこと。わたしに修繕費を支払う義務があり、その分を差し引く処理をするのに時間がかかっているらしい。


わたしはこの種の案件が国土交通省の管轄であることや、さまざまなトラブルのケースを知っている。なのでそれらしい口調で言われてもなんとも思わない。心の中で「昭和か!」とつっこむ。いずれにせよ主張の書面が届かないと動きようがないので、わたしが責められている要素を聞いておくことにした。そのときに、上の階の人との修理の日程調整がなかなか進まないという話を聞いた。心の中で「愚痴か!」とつっこんだ。


この電話の人はその1年前に契約更新の際に自分で書面の記載を間違えたことがあって、手続きをやり直したことがあった。その訂正の書類を返送したあと先方からかかってきた電話で、わたしが「いいですよ。わたしは気にしていませんので」といったら「訂正するのはこちらの義務としてやっているのだから、いいですよもなにもない」と、「いいですよ」と言ったことに対して怒られた。自分の過失がはじまりであることが完全に抜け落ちた怒りかたで、この人はだいぶ前からギリギリの精神状態であることを記憶していた。


最初の話は、しばらく忘れて寝かせていたら急に展開が変わった。退去の半年以上あとに同じ会社の別の人から「今すぐ敷金返済をさせてもらいたい、すぐに金額承諾の捺印が欲しい。なるべく早く振り込ませてほしい」という連絡がきた。放置した期間が長すぎてまずい状況であることに、会社の人が気付いたのだろうか。
そのとき「わたしの伝達義務の怠りによるものだから、わたしに修繕費を払う義務があるといわれている」という話はせずにおいた。たぶんわたしが20代~30代前半だったら強く言っていたと思う。でもそれはしない。

 

 

 そこまでじゃなくても、
 わたしもキャパオーバーのときは、ああいう感じだったんだろうな

 

 

いまはこんなふうに思うことがあるから、コンビニでも仕事をたくさん抱えた人に八つ当たりをされるとやりきれなさが起こる。自分を責める代わりにわたしを責めた不動産屋のあの人は、完全にキャパオーバーの人の怒りかた。知ってるんだ、わたし。そうなる人のその感じ、知ってるよ…と思っていた。なので「いいですよ。わたしは気にしていません」と言ったのだけど、逆効果だった。
他人に許されても腹が立つほどの人間不信に陥るとどうなるか。わたしはその心を感じたことがある。あの怒りの人は、どこかでなんとかリセットできただろうか。


その会社がコンプライアンスを守ろうとしたことによって、長い目で見ればその人は助かったところがあるかもしれない。訴えたりはしないけど、それでも回るように法律があるんだよね。