うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

梅原猛(うめはらたけし・TAKESHI UMEHARA)


総論も各論もおもしろい梅原猛さん。根底に「○○大好き!」というわくわくエネルギーがある人の本は、読んでいて楽しいですね。
中学生向けの「梅原猛の授業」からはじまって、振り返ると毎年だいたい1冊読んでいる。よく自分の中で小さなブームが起こるわたしは、読了リストを見て「ああこの頃は親鸞ブームだったんだわ」などと、振り返りになる。


瀬戸内寂聴さんとの対談で見せるような、爆発的におちゃめなキャラクターもたまりません。仏教解説はエロスについて明るく語れる人じゃないと、読んでいても気持ち悪いですからね。
梅原先生の解説は「その当時の民衆の理解」とか「密教的なもののあやしまれ方」がとってもリアルに伝わってくるところが最大の魅力。「その時代に生きてたの? っていうかあなた、龍樹本人? 空海本人? 親鸞本人?」とツッコミたくなるような、その時代への魂の浸透・ワープっぷりがすごい。



ヨーガの教えのなかに「8つの自在力」というのがあるのですが、その中でも以下は梅原先生、持ってるね。持ってるでしょ。

  • Prakamya:水が地に入るように浸透する能力
  • Prapti:地上にいながら月に触れるような、届いていく能力

特に、浸透力のほう。その時代に浸透して書かれている感じがするんです。
後者はちょっと「トンデモ」っぽいけど、前者は「チャーム」なんですよね。この前者の力がすごいなと、読みながらつくづく感じます。
どれを読んでも面白いし、「自分で考える力」について目の前で見せてくれるグルがしゃべっているような、そういう感じがします。



▼過去ログリンク(読んだ日付順・上のほうが最近です)
歎異抄 梅原猛 校注・現代語訳(各条部)
歎異抄 梅原猛 校注・現代語訳(解説部)
空海の思想について
寂聴・猛の強く生きる心 梅原猛/瀬戸内寂聴
梅原猛の授業 仏になろう
梅原猛の授業 仏教