8月に神戸三宮で「日本人なら知っておきたい仏教と神道とヨーガの歴史」漫談をやりました。関西は初遠征。
ここは平清盛でアツいエリア。仏教素地の高い地域ということもあり、関西版ではみなさんのお話もうかがってみたく、「1時間半の拡大版・超少人数でサロンぽい感じ」がコンセプト。カフェにホワイトボードを入れる強引な仕様で開催してみました。
これまでこのテーマでは盛岡版では90分、東京版では60分で話してみたことがあったのですが、話し手側のわたしから見て、それぞれの人がそれぞれにツボがあるようだなぁと感じていました。
話自体はきゅっとまとめれば60分で収まるのですが、今回はみなさんの興味の方向へふわっと脱線できる時間が30分くらい持てるようにしました。
複数のカメラ協力をいただいたので画像の色味がバラけてますが、内容はいつものように書きまくりの喋りまくり。
参加者された神戸のかたが帰りにいろいろと感想を聞かせてくれたのですが
参加者:絵を描くのがすごく速くてびっくり! 大乗と小乗の絵、あれ、速かった…
うちこ:驚くの、そこ?!(笑)
参加者:あれは漫談じゃなくて、塾! 配ってるテキストが手書きだし(笑)
・・・・ああ、なるほど。そういう感じね。昭和の塾ね。
じゃあこんどは「魁! うちこ塾」という名前にしようかなぁ……(パクりだけど)
そんな「魁! うちこ塾」では、
途中でお飲み物を注文したのですが(アルコール注文率が徐々に上がるのが「うちこブログっぽい」と盛り上がる)
「シャンディ・ガフ」というお酒をオーダーした読者さんに「シャンティ?! のあとにガンダムっぽい名前!」などとからんでみたり(参考)
みなさんの質問から発展してパワンムクタ・アーサナと自力整体の話を実践つきでやってみたり・・・
いい感じで脱線しまくりました。
そんななか、ときどき「今日はいいかんじでオンスケジュールです」とつぶやいていたのは、うちこをプロデュースしている中のオッサンが始終
「うちこや、関西女子のペースに巻き込まれるでないぞ」とブレーキを踏むからであります。
うちこはサービス精神に火がつくと「昭和ネタへの食いつき」につい応えたくなるのですが、今回は我ながらよく抑えました。なんでみなさんそんなにジェームス三木とゴダイゴの話が好きなのよってくらい、食いつきすぎでしたが。(なんでジェームス三木の話をしているんだと言うのがそもそも問題か)
歴史生ブログのときはいつも冒頭で「密教と顕教」の話をするのですが、それを踏まえて「この場は密教ですから」ということでやっています。
いくつか濃い質問をいただいたのですが、回答をテキスト化するにはむずかしいものばかりでしたので、その際にわたしが伝えた要素だけ書き出すと
- (配布レジュメにまつわる質問で)玄奘三蔵は中国人ですが、クマラジーヴァ(鳩摩羅什)は西域人(インドの右上の微妙な地域。現在の新疆ウイグル自治区)。般若心経の訳に「玄奘訳」というのがたまに見られるのは、鳩摩羅什による訳もあるため。旧訳=鳩摩羅什、新訳=玄奘三蔵という感じ。
→参考1:鳩摩羅什にまつわるちょっとイカした伝説(梅原猛の授業 仏になろう)
→参考2:玄奘三蔵が鳩摩羅什の般若心経で悪鬼を去らせたエピソード(玄奘三蔵―西域・インド紀行)
そのほか、雑談でお答えしたわたしのコメント要旨
- ヨーガをやるならどこでもいいと思っています。数年分の授業料を一括で払うなどの、そういう面でおかしな教室でなければ。
- ヨーガは流派とか気にせず、続けること。継続でナンボ。
- 3日に1回30分やるよりは、毎日10分やったほうがいいんじゃないかな。
- 昭和の身体論は、戦後西洋医学発展のために抑えられたものが多いのだけど、実によい教えが多いですよ。
- 西洋式のヨガ、というけれど、その「西洋式」をつくっている、取り入れる意識を持つ主体は日本人なんだよね。
- ヨーガを特に呼吸法と結びつけるときには、ダイエットとかアンチエイジングとか、そういうふうになるのはまあ、なるでしょう。おしゃれなヨガでもそうでなくても、きっかけや続ける環境があってのこと。という考え方でいえば、なんでもいいんじゃないかしら。
- ビデオが普及する背景にAVがあったように、ヨーガが普及するときにも中毒性に連動する欲的なものがやっぱりあったのよね(LSDとビートルズの話の流れを踏まえて)。
- ブログにあった足をかけて座って戻るポーズ(これ)は、ヨガの練習だけでできるようになったのですか?
→そうです。(やりながら)丹田です。んー、丹田と言うのは、おしっことオナラを同時に我慢する感じで……
(ここは参加者さんの解説も混ざって盛り上がりました。一緒に回答してくださったみなさん、ありがとう)
ヨガをしたことがない人も参加してくださる。
うちこ:専門用語が多くてわかりにくくなかったですか?
非ヨギ読者さん:ヨガのところはわからないことが多かったけど、わたしは茶道をやっていたので、年表に茶道の話が出てきてびっくりしました。
岡倉天心さんとヴィヴェたんの話です! ここはわたしの話したいヨーガの歴史の重要ポイントだから、うれしい!
(参考:茶の本)
茶道以外にも、矢上裕さんの「自力整体」をやっていたという方や、身体論に興味のある方、沖ヨギさん、中村元ファン、うのちヨギを目指す淑女など、さまざまな方向に興味をお持ちの方々が集まってくださいました。
「マニアックやけど、ドツボですわぁ(中村元ファンの京女)」
「そうそう、マニアックやけどね(笑)」
と、途中で普段のブログへの感想をいただきました。
「ま、マニアックだろうがたとえが昭和だろうが、なんかよければ、オッケーですかね」という感じで、みなさんのお話が聞けてわたしも楽しかったです。
おまけ:番外編
「きもの会」を20秒くらい開催しました。
京都の読者さんが素敵なお着物でおいでくださいまして、ほかの読者さんも「なんでまた、着物! すてきー」と。
「うちこさん挟んじゃったらー」ということになり、挟まれついでに「きもの会」(笑)。
この「きもの会」のかたが、すぐに感想をご自身のブログにアップされていました。あとできいてびっくり。
- チェックのお着物のかたの感想:拝聴「日本人なら知っておきたい仏教と神道とヨーガの歴史」
こんなに勉強熱心なかわいらしいお嬢さんたちに読まれているかと思うと、身が引き締まります。
なんとなく、普段わたしがここで書いているときは、絵的に「笑点の客席」のようなみなさんをイメージしていたもので……。
もう少しキャピついたことも頑張って書いたりしたほうがいいのかな、と思いつつ、実生活が伴わないのでやめときます。