うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

江戸川乱歩と私 (植草甚一スクラップ・ブック)

江戸川乱歩と私 (植草甚一スクラップ・
これは、いただきもの。わたしのことをいつも「変態」と呼ぶ同僚がいるのですが、2年くらい前に「ふと書店で見つけた」と言ってプレゼントしてくださいました。仕事ではまったくかかわりがないのですが、お酒の席で知り合いになったときに、「こいつ、強烈に変態」と思ったそうです。
ここには書かない趣味趣向がたくさんあるなかに、「乱歩的世界」というのがあり、どの作品が好きかとか、美輪様が丸山明宏だった頃の「黒蜥蜴」や「恐怖奇形人間」を池袋の文芸座まで観に通っていた話をした気がします。文芸座は私が25歳くらいの頃になくなってしまったけど、あの空間で乱歩作品の映画を観ることができただけでも、東京に来てよかったな、と今でも思います。

この本は、いただいてすぐ読み始めたのですが、江戸川乱歩氏と著者のエピソードが出だしですぐに終わってしまったため、そこで停止して寝かせていたのですが、なんとなく今週読み始めたらミステリー評としてものすごく面白くて、もっと早く読んでしまえばよかったです。
うちこはわりと読書をしますが、どこの出版社が出しているとか、装丁がどうのとかということを全く気にしません。以前読書仲間で同僚のシカちゃんにガンジーの本を貸したとき、「お。文庫クセジュだ。クセジュ読んでる人、あんまりいませんよ」と言われて、「彼女は本が好きなんだなぁ」と思ったことがあります。
この本のなかにも、本を愛する気持ちがこぼれるくだりがありました。

<108ページから引用>
とくに最近ほれぼれしたのは、四月から型をかえてイタリア式にしたドノエル社のクライム・クラブ双書で、気がついたら十円たかくて二三五円だが、本文にタマゴ色の紙をつかっているので嬉しくなる。


このほかにも、メモを残したものがいくつかあるのですが、この著者独特の流れがあり、一部を引用しても伝わらない内容ばかり。「整体 楽になる技術」の感想の時にも同じようなことを書きましたが、著者本人が好きで好きで研究している世界を書いている本というのは、やっぱり読んでいて楽しいものです。

この日記を書きながらあらためて、職場で出会った人なのに「わたし、これ好きなんだよねぇ」という話題で共感できる人に出会えているのは、ありがたいことだなぁと思います。「まっさんランチ」(まっさんの話ばかり)で集まる仲間も貴重だし、ドアラ様のボディ・アクションに萌える仲間が振り向けばそこに居る席で仕事をしているということも、ものすごく贅沢。もしかしたら、私が強烈ななにかで引き寄せているのでは?!とすら思ってしまいます(笑)。

江戸川乱歩と私 (植草甚一スクラップ・ブック)
江戸川乱歩と私 (植草甚一スクラップ・ブック)植草 甚一

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