今年のGWに南房総を旅してきました。
そういえばコロナ以降、ヨガクラスをやりに行ったり友人の住む県へ行く以外のひとり旅をしていなかったなと思って。誰に会いに行くでもない、自分の感じかたを感じに行くような移動&宿泊の旅です。
自分自身に対して億劫がりにならないように、ひとり旅をしてきました。
今年は一斉に人が動いたので、GWの少し前に決めて行けるのは近県です。
電車で行ける範囲で宿をとって、ずっと気になっていた場所へ行きました。
鯛の浦へやって来たのは、この港にある寺院の参拝が目的でした。
お寺へ入る前にちょこっと遊覧船乗り場へ立ち寄ってみたら、あと10分で出発とのこと。せっかくなので乗ることにしました。
安房小湊駅から海沿いの道を歩く
電車に乗っている段階から、すごく旅気分でした。
ものすごく遠くに来たような気分になれる景色。
駅の近くに観光案内所もコンビニもあって、もちろん鯛せんべいが売りのお店もあったりして。
旅気分を味わいました。
遊覧船で海の上へ
昔は小舟を雇わないと見に行けなかったようです。夏目漱石の『こころ』にこのように書いてありました。
何でもそこは日蓮の生れた村だとかいう話でした。日蓮の生れた日に、鯛が二尾磯に打ち上げられていたとかいう言伝えになっているのです。それ以来村の漁師が鯛をとる事を遠慮して今に至ったのだから、浦には鯛が沢山いるのです。我々は小舟を傭って、その鯛をわざわざ見に出掛けたのです。
現代人のわたしは窓口でチラリとクーポンを見せ、QRコード決済で1100円のチケットを買って乗り込みます。乗っていたのは30分くらいだったかな。とにかく海の上にいるのが気持ちよかった〜。
餌付けスポットまで進みます。
お魚をピンポイントで撮ることができませんでした。
夏目漱石は以下のように書いているのですが、あたしゃ揺れで焦点が合わなくて、こんなふうには眺められませんでした。
その時私はただ一図に波を見ていました。そうしてその波の中に動く少し紫がかった鯛の色を、面白い現象の一つとして飽かず眺めました。
『こころ』に出てくる人は大学生。ヤングだったから凝視できたのでしょう、ということで。
さらに景色の良い沖へ進みます。
いいなぁ女子旅。楽しそう。そうそう、こういう場所は、楽しく旅しなくっちゃあ。
こじらせてる友達と来る場所じゃないよ、漱石先生。
ひとりで来てもこんなに楽しいのに。
戻って来ました。
カメラマンのかたが出発前に声をかけて写真を撮っておいてくれて、船から戻るとそれが並べてあって販売されるという、なんか修学旅行の旅先で見たような懐かしいサービスがありました。
とにかくいろいろ、懐かしい気分になる時間でした。
きれいな海でした。
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