うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

噂は噂 壇蜜日記4 壇蜜 著


みなさんのお布施が足りないから、読経が今回で終わってしまうそうですよ。(妄想)
でも壇蜜さんご自身はずっと念仏(あるいは呪詛)を説き・書き続けるそうなので、どこか別の寺院がお布施の管理を引き受ければ、今後も読めることになるのでしょうか。
── なんて書いてみたくなるほど、このシリーズが終わってしまうだなんて悲しい。淋しい。心の支えにしていたから。
だってこんなにクスッと笑わせる日記で、救いの手を差し伸べてくださる。

朝から床の上で原稿を書く。見てるか。これは本当の枕営業だ。

ある日の日記。内容はこれだけ。


わたしの手帳には「壇蜜日記」の言葉がいくつか書き記してあります。
今回も、いくつか書き記しました。誰にも言えない種類の、表明したら損しかしない感情を成仏させるためのお経のように読んでいます。

女は怒れば「ヒステリー」、泣けば「悲劇のヒロインぶって」、耐えれば「意見の言えないバカ」、気にとめないようにつとめてニコニコしていれば「(以後略…)

これもある日の日記なのだけど、さて、なにが書いてあるでしょうか。壇蜜日記があれば Mee Too は霞んでいく。やっぱりどうにも断然、壇蜜日記なのです。大切にされると不安定になる性分に共感してしまう。いばらの道に寝袋を敷かないと安心して眠れない。そういうところが、壇蜜さんにはあるような気がして。


抽象化のうまくない思わせぶりなだけの文章が好きではないわたしでも、楽しく読める他人の日記。海外文学かぶれか!というツッコミの感情をまったく起こさずに読める現代人の日記。壇蜜さんの文体は江戸川乱歩のように、"諸君ならお気づきであろうが" のつなぎが自然に織り込まれていて、ちっともいやな気がしません。だいすき!


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