うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

「Chikirinの日記の育て方」 ちきりん 著


Chikirinの日記」は2010年〜2011年くらいに仕事仲間から教えてもらって以来、たまにまとめ読みをしに行っています。
ブログの運営姿勢を参考にすることも多くて、コメント欄をやめるときには理由とその背景・延長にある考え方を確認するように読み、プライベートブログと分けようかなと思ったときには、ちきりんさんの例を見て「わたしはプライベートとヨガが重なりすぎるから、こんなふうに記事は分けられないなぁ」と思ってやめたり。ブログ&twitterという体制に手を伸ばさなかったのも、このブログを参考にしてのこと。「こうすると、こうなる」というインターネット上の行動事例をたくさん見せてくれるブログでもあります。
そんな折に電子出版された、この「運営話」。うなることが多くてイッキ読みしました。



この本に書かれている「Own Mediaをもつこと」は「想定読者を自己認識できているか」ということで、続けて行なうことで意味が分かってくるヨガの練習とすごくよく似ています。セルフ・リアライゼーションをブログ運営でやるとこうなる、という感じ。なりゆきでそうなるので、なってからわかることが多い。その振り返りかたがすごくおもしろかった。
「本丸」なんて表現も出てきて、Own Mediaへの愛情が伝わってくる。そのうえで「自分の日記なのに読者を喜ばせるために書くなんて、私にはありえません」といわれると、「ほんと、そうだわよ」と共感します。「あなたの自己顕示欲を満たす場ではありません」というスタンスでの運営って、意思することは簡単だけど、実際にやるときは誰かの居場所をなくすことがわかっているのでね。

自分がこの場を愛せなくなったらやめるという気持ちで書いていれば、いろいろなことはけっこうあっさり決断できるはずなのだけど、はてなブックマークを切ることについてちょっとグズついた義理堅い気持ちなど、とても人間らしい喩えで書かれていてたのもツボでした。



そしていちばん共感したのは、この言葉。

いつも感じるのは、「すごいのは私じゃなくて、私を見つけた人たちだ」ということ。

ほんとうに、そうなんですよね。魔法の力の半分以上は、かけられる側が持っている。
インターネットで人がつながることのすばらしさは、それぞれが自身の覇権欲と承認欲に向き合いながら生きているか、という土台の上にある。



いろいろなところをハイライト(電子書籍に付箋を貼るような読み方)したけれど、「影響力」の光と影をこんなにリアルに、ナウな話題で書かれている本を読める機会もなかなかないと思うので、ブログを運営したことがない人も、いま読むと学びの多い一冊です。
日常的にインターネットを使う人は特に、コミュニケーションが雑になりがちな今という時代を、自分なりにていねいにやっていこうという気持ちに立ち返れるはず。おすすめです。

「Chikirinの日記」の育て方
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(参考おまけ:わたしが好きなエントリー)