「タオ―老子」以来の加島祥造さんの本。
「受いれる」はシンプルな詩集なので引用紹介をしませんが、
自分が何を受けいれてこの世に生まれてきて、
社会に受けいれられるためになにをしてきて、
何を放置してきたのか。
「すべては幻」のなかで、なにに右往左往しているのか。
そんなことが次々と言葉であらわれて、
じーんときました。
横に広がる幻にエネルギーを使ってばかりいて
縦に広がることへ目を向けることを、忘れて生きていないか。
そんな問いかけが続きます。
「器が大きいから受けいれられるというのは
結果からのことであって
受けいれることで器がひろがるのだ」
という導き。
やさしいバガヴァッド・ギーターのようでもあります。
そうか、縦か。
この詩集を読んで、そんなことを悶々と思いながら過ごしました。
いまの身の回りはなにかが too much であると感じている人には、かなり沁みるはず。