うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

まじめに生きるって損ですか? 雨宮まみ 著


ウェブサイトに連載された「穴の底でお待ちしています」というコンテンツを書籍化したものだそうで、人生相談風なのだけど、とにかく愚痴を受け止める。
…にしても案件ひとつひとつの思考プロセスが重い。ここまで些細な意地悪をいちいち拾って暮らしていたら、疲れるだろうなと思うものばかり。


「ナルシストで武士道な女」というトピックは、かつての自分のことのようで胸がギュゥとなりました。人生まじめでもふまじめでもプレッシャーの種はそこかしこにあり、だったらふまじめなほうが…と考えられればよいけれど、そんなわけにもいかないときはいかない。でもなんとかそういう時期が過ぎ去ってくれたり、なかなか過ぎ去らなかったり。
わたしが20代・30代の頃にこんなおねえさんに話を聞いてもらったら、壺もパワー・ストーンも買ってしまったかもしれないなぁ。
常識から外れたくないことを別の要件に乗せて主張する人(相談者)の本音を見抜いて、こんな返答をされています。

 二項対立の価値観や、固定観念の枠からはみ出るものが、世の中にはたくさんあります。なにかを選び取り、不要なものを捨てていき、なにかを奪われ、なにかを獲得しながら純度を増してゆくのが、私の思う大人です。
(「大人になる=処女喪失が怖い」への回答より)

純度ときた。純度とな! 純度ですと! 壺もパワー・ストーンももちろんセットで買います。買いましょう。買いましょうとも。


プレッシャーに負けたくない、という思いがまたプレッシャーになるループ。抜け出すキッカケは人それぞれ。そして一度抜けても、何度でもまた陥るもの。
インドから戻って頭と胃腸がぽかーんとなっているときに読んだので重く感じましたが、こりゃすごい人生相談です。