読みながら「そうだよな…」と思いつつ、「でも本当にこればかりやると消費のされ方の質が下がって、せこいの人との関係が強化されてしまいそう…」なんて考えながら読みました。わたしにとっては、「やるべきではないリスト」も多かったです。
文章というのは不思議なもので、読む人がどんどん脳内変換して相手を悪人にしたり理想化したりします。画面に向かって Read Only で過ごすだけの人が多い昨今は、人たらしの文章くらいはとっととマスターしておくのがクールということでしょうか。
この本は「相手に行動を起こさせる文章」にウェイトを置いてあり
レベルを上げすぎず、話しかけるように。
ということが大切と書かれています。
でも世の中にはものすごく濃密な文脈でコミュニケーションがとれる人もいるので、「わからない人にも、わかりそうに書く」ってのは、やりすぎてはいけない黒魔術のようにも思います。わかりそうなだけで、結局はわからないのだし。
多くの箇所を「やるべきではないリスト」として読みつつ、でも説明の以下はすごく、実感としてほんとうにそうだと思いました。
人は論理で納得しても行動には移りません。
逆です。感情によって行動したあと、その行動を正当化しているのです。理屈をつけて、「正しい行動をした」と自分で自分を納得させているのです。
(第2章より)
仕事上の付き合いのみで、事務連絡のようなメールをやりとりしているだけでも、言葉使いや案件に対する考え方から人柄は伝わってくるもの。
(第3章より)
この本は、理由の説明の箇所に「そんなこと、あけすけに書いてしまわないで」と思うところが多かったです。「あけすけに書いてくれている」と思っている時点で、わたしもこの人の術中にはまっているのだけど。
内容としては、「承認欲求をくすぐろう」とか、もう、策士すぎてこわい(笑)。
わたしがなるべく避けていることがたくさん書かれていました。
それはさておき、わたしはこのメンタリストさんの見た目や話し方がすきです。術中にはまっているのでしょうか。
そのことを友人Hさんに話してみたら「えー。意外。あの人、自分自身が定まらない感じなのに "メンタリスト" って、どうなのと思っているのだけど」と言っていて、おもしろいと思いつつも「いいや、魅力的な人というのはきっとあのようにユラユラしているのだ。そういうものなのだ。阿修羅像だって、微妙な表情の構成じゃないか」とさっそく脳内変換で美化しようとしていました。
わたしはこのメンタリストの術中にはまっているのでしょうか。
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