うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

きのこ会議 / お菓子の大舞踏会  夢野久作 著

なんとなく怖そうで手を出せなかった夢野久作の作品を初めて読みました。
どちらも短編。ふたつ合わせて10分くらいで読み終える長さなのですが、想像以上にかわいくて驚きました。

 

きのこ会議

出だしは思いっきりかわゆく子供向けなのに、途中から展開がおかしくなってきます。

きのこだけの世界で成り立つ議論と、人間と交わることで風向きが変わることの違いがなんともエグい。あまりにも現実的。国内だけの議論が海外に持ち出された瞬間に全く別の角度で取り上げられてびっくり! というようなことと、すごくよく似ている。
途中まで「これ絵本にしたら絶対かわいいのにぃ〜」と思っていたのですが、すぐさま「これは子供に見せたらダメなやつ」と思い直しました。

 

きのこ会議

きのこ会議

 

 

 

お菓子の大舞踏会

こちらは幼稚園の寸劇に採用されそうなくらい、もうなんだかとにかくかわいい! 登場するのがカタカナのお菓子ばかりで、文字なのにカラフルに感じる。
あたしこの頃、スレてたわ・・・。と、特にスレてもやさぐれてもいないのに思いました。スレたのはきのこ会議を傍聴したせいなのですが。

 

お菓子の大舞踏会

お菓子の大舞踏会

 


わたしは人間以外のものが人間のようにしゃべる話が好きなので、「きのこ会議」がとにかく面白くて印象に残りました。それまでは太宰治の「貨幣」がベストワンだったのだけど、「きのこ会議」が抜いたかな。うーん、どっちもいいな。