マリリン・モンローに魅せられた大学生が、同行二人状態で人生の課題に取り組む物語。
その人のことを思うと心強い状態。これはちょっとした信仰で、どこにいてもふとその存在を感じたときに元気になれたら、それは純粋な信仰。
なので、ああこれは同行二人(どうぎょうににん)の話だと思いながら読みました。
そしてごくごく平凡にこの日本社会で暮らす一人の人間として、こんなことも思いました。
自分はバカなふりをしても
あまり自尊心がすり減らないタイプなのだろうか
この小説を読みながら、たまに女性同士の会話で壁として立ち上がるこの問題を思い出しました。この物語が内包する怒りに、いまひとつ乗り切れないところがあるのです。
わたしは以下のような考え方を自然にします。
バカなふりでも、その配分を調整しながら
じわじわ居場所を得ていかないと
やりたいことはできない
わたしはこういう環境・時代の中で社会人になったので、自然にこれに順応してきました。
なので今でも何人かの友人と意見が対立することがあったのですが、この本を読んだら自分の浅はかさがわかりました。
役割を固定される
この「固定させる力」の強力さを理解していなかったのでした。
この小説は、マリリン・モンローが実は闘っていたことを伝える物語です。
キャラ変のむずかしさを社会が過剰に補強して来ない現代は、いい社会になっている。
読んだあとで、そんな考えに至る本でした。