うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

つんつんブラザーズ The cream of the notes 8  森博嗣 著

毎年12月に出版されるエッセイ。今年も読みました。
ニュースを見てひとりで考えたことなど、日々ここに書かないけれども自分の中にある「こういうことだろう」を確認するかのように読む、今回はそんな読み方をしていました。
いくつか、これはおもしろいことであるよなぁとここ数年思っていることがこの作家の視点で書かれていました。
感情と理性について書かれた「70. 周囲の人たちが悲しむことが悲しくさせる、という作用はあると思う。」では、その機能が立ち上がるスピードについて触れられていて、それなんだよなぁと思いながら読みました。

 

わたしはなんで年齢を重ねても信条のない人がこんなに多いのか、ということをよく考えます。
年齢を重ねていくなかでなにかに納得する認識の回数が増えれば、いやがおうにもそれを覚え、その傾向が自分の信条の構成要素になっていくだろうに…と不思議でならない。でも「周囲の人たちが喜ぶことが自分の喜び」であることに納得する回数が多ければ、それも信条や判断基準になっていくのかな…と、そんなことを考えました。
周囲のメンバーが変化したり、同じ人が変化してもその都度対応・更新していくとなれば、それはそれはパワフルなメンタル。わたしよりもパワフルな人なのだと思えばスルーできる。

そんなあれこれを思いながら読んだあとの、最後の「100. 宗教を信じないし、いらないものだと思っているが、神は僕の傍らにいる。」というエッセイがよかった。ああ今日も神はいたと思うくらいが自然だもの。

 

つんつんブラザーズ The cream of the notes 8 (講談社文庫)

つんつんブラザーズ The cream of the notes 8 (講談社文庫)

  • 作者:森 博嗣
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2019/12/13
  • メディア: 文庫