14歳の頃に読みたかった! でも当時は整体に興味がなかった。アホなことばかりしていた。
ほかの本でもそうですが、この整体師さんは狭量になったり硬くなるときの心身のはたらきの説明が抜群にうまいなぁと感じます。
呼吸が浅くなるとどうなるか、という流れで、
どんどん周りの世界がよそよそしくなります。
という表現をされています。(219ページ 「よく生きる」とは?より)
世界がどう見えるか、の「どう」の変化の主体があくまで自分にあるというところをやさしく紐解いていく。
どう読んでもこれ、大人向けです。(笑)
わたしはヨガの練習をする場でたくさんの大人と接してきたのでそういう事例を見る機会が多かったのだけど、この本で14歳向けに語られている以下のような状態は、それを何倍にも薄めたようなことが何歳の人にも起こる。何度も起こる。なので、何度も読みたい。
10歳を過ぎると、自分と身の周りの人や世界が一体だった無邪気な自分、疑いなく世界の中心にいた自分は失われます。
実はこれはかなりつらいことです。自分が無邪気に世界の中心にいて「主人公」だったということ(全能感とも呼ばれることがあります)が永遠に失われます。ここで、すでに失われた「主人公としての自分」にしがみつくと、権力とか「超能力願望」に取り憑かれたり、「価値のない人生なんていらない」と思い込んだりするわけですね。
(209ページ 人との間に生まれ、変わり続ける自分 より)
「永遠に」と言い切っているのがすばらしい。著者はオウム真理教の事件をありありと感じてきた時代の人だと思うので、こういう心理状態の描写は短い文字数でもドスンとくる。
やさしく現実にむけて背中を押してくれる本です。思春期がぶり返しがちな中年もぜひ。
このタイトルは、ちょっとシャレなのだと思う。いい息抜きになりますよ。