すごい。どんどん磨きがかかって冴えている。もう目が離せない。
表紙のイラストの片手がKindleなのもニクい。Kindleならさっそく、定価で買うのだ。
以下の末尾にいたる日記がよい。
だから袋にとじられる。袋の中なら安全だからだ。
って、どちらが? 壇蜜さんが? 袋を開ける人が? 結果は読んでのお楽しみ。
阿呆のふりができる者が、したたかに世界をまわすのかもしれない。
でもダンスは阿呆ではできないものだという流れが前段にある。壇蜜さんの日記には体力や動きに対する劣等感を表明するものが多い。
やせて疲労の色を見せると「変な薬」を疑われ、太って元気がいいと「変な宗教」を疑われる。私がいつも通りでいなきゃいけない最大の理由はここにある。
私も痩せればアシュタンガにハマる痛いヨギーニ、太ればスピリチュアルにハマる痛いヨギーニ扱いされるから、いつも通りでいなきゃいけない。壇蜜さんとともに頑張ろうと思う。
私と春はどちらが図々しいだろう。
震災のときに思うことを綴る流れ。この日の日記は名作。
魚の擬人化表現が相変わらずおもしろいのだけど、今回は新幹線の擬人化で爆笑。
走行中、新幹線の機嫌が悪くなり停車。不機嫌の理由をきっぱり明かさないあたり、メスの新幹線とみた。
(2016/6/4 の日記)
壇蜜さんが自分の専門性を「女のパロディ」と捉えているところがたまらない。キャッチする悪口や悪態が金になるまでじっと待つ忍耐の日々の描写も素敵。このシリーズは、つらいときに開きたくなる。読めばわかるけど、これは女性のためのアンガー・マネジメント講座ともいえる内容。
今回は「倒置男」の三文字で、わたしのさまざまなかつての感情が成仏した。
最後に収められていた短編小説は、かわいらしい話でした。
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