うちこのヨガ日記

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腰・肩・ひざは「ねじって」治す 魔法のリセット・トレーニング 山内英雄+島泰三 著


わたしがまだ学生の頃、いまほどメジャーになる前のDHCのチラシには、手書きの「喜びの声」みたいなのがたくさん載っていました。この本は、そういうノリといったらわかるかな。「先生のゴッドハンド、すごい!」みたいな文章が多くて、ボディ・ワークのほうに意識が向きにくい。


以下のような、指先と脳の関係に注視したメソッドの説明は、納得します。ヨガニードラのボディ・スキャンのアプローチも、こういうことだから。

「手や指をねじって回転させてみて、自分の身体の動きを味わってほしい」
 これは、自分の身体への感覚を取り戻せという山内さん流の表現です。指先はただの手の付属品ではありません。指が曲がると、手に、ひじに、肩に、首に、頭にまで影響します。そして、知覚はできないけれど「自分の大脳のどれほど多くの部分が使われているのか」を意識すると、指へのリセット・トレーニングの本来の意味が分るのではないでしょうか。
(69ページ 指先は脳に通ずる より)

エクササイズも、よい内容と思いました。とくに肩周りで悩んでいる人によさそう。


それでも読みながらずっと「なんで射幸心をあおる広告のような要素をこんなにも入れてしまうのか」という思いがつきまといました。
この本は主として書いているのがお弟子さんで、始終「こんな秘法と呼びたいほどのことを、誰にでも惜しげなく教えてくれる。私たちはその恩恵にあずかれるという特典を得た」というトーンで書き綴られています。
ボディ・ワークとの出会いかた、続けていく中でなにが骨子として残っていくかは人それぞれですが、この本は「なにを信じたい人が、どういう目的で書いたのか」「そこに無意識的にどんな力がはたらいているか」まで読み取ると、心理学の参考資料になりそうです。


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