うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

男性不信 池松江美 著


辛酸なめ子さんの自伝的エッセイ風小説。なんじゃこりゃ?! と思っているうちに一気に読み終わる。そして読後も、なんじゃこりゃーー!となる。
自伝なんだろうけど本人けっこうかわいいよね…という印象だったので、これはコストをかけてのかわいさなのか? それにしてもこのペンネーム(小説の中では「虫酸ラン子」)は、たしかに身を守る武器になる。この混乱のリアルさと具体策がナイス。
この物語は主人公が最終的にスピリチュアル方面に爆走するのだけど、いちいちおもしろい。

今はまだ、体よりも魂の結びつきを強めたいの。私が欲しいのは彼の体から放出される白い液体ではなくて、彼のチャクラから発せられるエクトプラズム。アナハタ・チャクラから胸いっぱいに吸い込みたい!

なんだろう、この「あたしはまだ本気出してないだけ」という思いを肥えさせるだけ肥えさせた感じ。すごい…。
読めば読むほど一般的にとてもすてきな男性と欲にまみれることの健全さが際立つこの感じ、これはいかなる芸風? 共感してしまった感情はどう処理すればいいの? ハイコンテキストすぎるというのはこういう状況を指すのでしょうか。笑えます。


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