うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

ツチケンモモコラーゲン さくらももこ + 土屋賢二


今年のはじめに読んだ「ツンドラモンスーン」のあとがき文章が破壊的におもしろかった土屋賢二さん。いつか本を読みたいと思っていたときに、ふと目にとまり、「おっ」と思って読みました。おもしろかった〜。
この対談では、完全に土屋賢二さんは「ちびまる子ちゃん読者」で、そのままなのがいい。でも親しくなったあとは、さくらさんのお父さまを「ヒロシ」と言う。やっぱり、そうなるのか(笑)。

<40ページ さくらさんの家に行った より>
 さくらさんのお宅にお邪魔することになったとき、胸が高鳴るのをおさえることができなかった。さくらさんのご家族に会うなんて、想像もしなかった。サザエさんの家に行くようなものだ。

すごく、すごく普通の感想がいい。


<165ページ 選択とバランス より>
ももこ:腹の底からわかるっていうことは、それを実行に移すってことだと思います。
ツチヤ:ということは、僕の場合、サボってしまおうとか逃げてしまえといったことなら腹の底からわかっているんですが、その逆が腹の底からわかってないんでしょうね。
ももこ:ええ。私もずいぶん長い間、わかっていなかったんですよ。生まれてから20年間くらい、だらだらしてましたもん(笑)。だからお母さんにいつも言われてたんですよ、ご存知のとおり。あんたはいつもだらしがない、最低だ、人生の落伍者だって。
ツチヤ:(爆笑)
ももこ:ね、ひどいでしょ。人生の落伍者だなんて、小学生にむけて言うセリフじゃないですよ。

土屋さんがさくらさんご本人といてもずっと「実写版」を見ているようなスタンスが抜けないのがいい。そして生まる子さんは、めちゃくちゃ経験と実行の人という印象。さすが落伍者にならなかっただけある。



そんななか、こういう書き方は土屋式とでもいうのかな、おもしろい。

<105ページ さくらさんとわたし(とまわりのうじ虫たち) より>
 さくらさんは、人間を正しく評価する目をもっているだけでない。それを適切なことばで表現できる人だけでもない。さらにその上、正しいと思ったことはすぐに実行する人なのだ。これほど頼りになる人がいるだろうか。子分としてこの人に一生頼って生きて行こう。
 このような依存心が、わたしの小さい胸に芽生えた。
 しかし、何度か対談を重ね、わたしから詳しく話を聞いているうちに、さくらさんの攻撃目標は、まわりの人間に強く言えないわたしの態度へと移って行き、ついには、わたしが尊敬されないのも、もっともな理由があると考えるに至った。
 こうしてさくらさんは、わたしを叱る多くの人間の仲間入りをしたのである。

この、主体性がクルクル反転するおもしろ文章。たまりません。


それにしても、さくらももこさんは「自分を育てた親の思想を国民の多くに知られている人」なんですよね。それを踏まえて他人と出会ったり話したりするって、へんな感じなんだろうな。生ヒロシと土屋先生のからみもおもしろかったです。
疲れたときに読むと、すごーく癒えますよ!