昨年からヨガクラスに来てくれていた女性が、地方で新しい生活を始めるというので、もう都会で会うのは最後かなと思ったときに話したこと。
はたらき盛りの年代は、とにかくいろいろある。そこでなにかを決めて変えるとき、それはそれなりの空虚感を感じることになる。あとでその穴は埋まっていくのだけど、失ったもののほうが数えやすいから、そこで気分が落ち込んだりする。"あった" という経験のほうが固体に近い印象を持ちやすいから、数えやすい。未来のことはまだ見ていないから、固体に近い印象を持ちにくい。
というのを、わたしは経験から知っている。
その日の彼女は、はじめて会ったころよりも予期する痛みに対する覚悟が強くなっているように見えました。習慣を変えるときに必要になる力と、ある種の乱暴さはコインの表と裏なのだけど、その乱暴さに抑制が効いてきたような。コインを投げて表が出る打率が上がってきた、という感じ。
この感覚、なつかしいな。言うなら今かな。と思ったので、
あのね、過去の自分と結婚すると思えばいいんだよ。
過去の自分に養ってもらう感じでさ。
と言ったら
そっか! わたし、過去の自分は、かなり結婚したい相手ですね。
だって。
目がときめいてる(笑)。
あなた、がんばってきたのねぇ。
いいじゃない。その人、つかまえちゃいなさいよ。
人生いろいろよ〜。
自己愛はじょうずに使いましょう。
バガヴァッド・ギーターの6章5節は、そういうことだと思うのです。