うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

ツンドラモンスーン(The cream of the notes 4)森博嗣 著


昨年本屋で目にして電子化まだかな…、と思っていたらいつのまにかKindle版が出ていたので、さっそく読みました。エッセイ集です。
今回はあとがきの破壊力がすごすぎて、本編の印象が上書きされるほどでした。それも含めておもしろかった。
わたしはこのシリーズと「100の講義」のシリーズが好きなのですが、その理由はこれだなぁ、と思うフレーズが68番のトピックにありました。



 そこはかとなく不自由



「不自由というものは、自分が自分の頭の中で発生させているのだ」と日常では無理やり主体化して仏教的にやり過ごしているけれど、そこはかとなく感じている外部要因の存在は、ある。あるのよね〜。それをちょろっ、ちょろっと書いてある感じが好き。このちょろちょろ感が絶妙。
わたしは「大げさなことがひとつもない」という状態に、そこはかとない幸せを感じます。なのでこのシリーズを読んでいると幸せな気分になります。
「96 味の深みというのは、結局は相反する刺激の混在である」というトピックにあることは、「吾輩は猫である」の猫の言う「呑気と見える人々も、心の底を叩いて見ると、どこか悲しい音がする」と似ていて、じんわり沁みました。


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