うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

スター・ウォーズ フォースの覚醒(映画)


ずっとどの表示で観るか迷っていたのですが、字幕×3Dで観てきました。
これから観にいく予定の人は、今日の内容は読まないほうがよいでしょう。(観てから自分の感想を文章化するくらい明確に意識して、また読みに来てください。そのほうが楽しいはず)。
スター・ウォーズ」はわたしが子どもの頃からやっていて、息子(ルーク)の話を観ていたころわたしと、父親(アナキン)の話を観ていたわたしの間には以下のような違いがあります。

  • 親に連れて行ってもらった頃=かわいいメカや妖怪みたいなキャラクターや宇宙映像に夢中
  • 自分で行くようになってから=グル弟子のやりとりや「フォースとは」について考える


同世代で似た状況の人が、けっこう多いのではないかと予測します。
わたしはもともとフィジカル×プラクティカルな内容の映画が好きで、それはただジャッキー・チェン世代だからでは? というのもありますが、よくテレビで再放送をされていた「ベスト・キッド」も好きでした。パラッパ・ラッパーの一面(ていうの? タマネギ先生のところ)も好きです。

そんなわたしが、今日はこんな主旨の感想を書きます。

  • スター・ウォーズがディズニー映画になるとこうなる、ということを学んだ
  • スター・ウォーズが「マハー・バーラタ」から「ラーマーヤナ」に近い方向に転じた
  • 戦争が起こる仕組みよりも、戦いそのものに興奮を与える映画に変わっていた
  • 世界がディズニー化すると、世界戦争に近づく気がした
  • これはエンタメとしての成功の怖さを学ぶ、壮大な教材になっていくのかも知れない

スター・ウォーズって、「ウォーズ」なんですよね。そもそも。
わたしは、「スター・ウォーズを復活させたらこうなった」という状況に、「わー。こうなっちゃうんだ」と思いました。
で、今日はこのような感想を書く前に、わたしの「非常に偏ったスター・ウォーズに向き合うスタンス」を知っておいていただけるとより理解しやすくなるかと思うので、過去の「スター・ウォーズ的なもの」に触れているトピックをご紹介しておきます。

わたしのことは、「あらゆるヨーガ教典・仏教経典の中にスター・ウォーズを見出してしまう病の人」と思ってくださいね。もう、これは性癖です(笑)。以下、観る予定の人は今は読まないほうがよいです。大きく抱いた印象をいくつか。



■重要であるはずの「剣」の扱いが雑では
その意味、扱いにたいへん意味があるはずだったライトセーバー(剣の名前)について語られる場面で「師の教えが必要だろう?」みたいな言葉が投げかけられる場面があるのですが、それは雑すぎるのでは。そこは、この映画の肝であるはずポイントだったはず。いいの?



■新ドロイドのかわいさがヤバい
このドロイドの動作表現の求心力は、R2D2をしのぐものがある。このかわいさは、デザインだけではなくて、動きによるもの。これはディズニー効果か。(今回から、ディズニーに買収された後のシリーズになります)



■チューバッカの表現力の上昇がヤバい
彼の感情表現が全体的に上がっていると感じるのは、気のせいでしょうか。ヒロインをチラ見するときの動きとか、チューバッカの表現力の繊細さ、向上が目に付いてしょうがありませんでした。



■親子関係の描き方が演歌すぎ
セリフが説明的すぎて、残念という感情が起こりました。日本の紅白歌合戦に近い、復活するバンドで視聴率を稼ごうとする仕組みと似たものを感じました。今回の息子は「小物」という設定なのだとしても、ここいは「よくある演歌のメロディ運びに乗せておきました」というような雑さを感じる。



■恋愛感情を描きすぎ
先に書いた「演歌すぎ」と同じ理由なのだけど、こういうところが「ディズニー感か?」とも思う。



ハン・ソロだけに漂う、圧倒的な現役感
今回のハン・ソロ、よすぎでしょ。何歳だよ。こんなことがあっていいのか(笑)。



■表面的な戦争映画になった
怒りや恨みの表しかたが、とてもシンプルになりました。いままでは「恨んでいるだけではない葛藤」が繊細に描かれていたのが、そうではなくなりました。芯を抜かれた感があります。



■修業的な要素は、今後描かれるのか? という寂しさ
ヒーローがヒロインになり、そこにラブもあります。ここに修業的な要素がどう入っていくのか。ラストに登場した人とヒロインとの今後が気になる終わりかたですが、「修行に時間を割かないのではないか?」という予感が同時に起こりました。グル感が足りなさすぎな印象を持ったのです。次の作品からはナウシカっぽい描き方になっていきそうな気配がする。


スター・ウォーズは「考えさせる」ところが魅力だったとわたしは思っています。「エンタメ」なのだから感情的なものを求める気持ちに応えようとしたらどんどんこういうふうになる、というところに抑制が効いているところがスター・ウォーズの孤高の魅力だったということに気がつきました。
でも絶対続編も観ますけどね。だって、エンタメとして、ここがよいもの。

  • 「丸いの」かわいすぎ!
  • ヒロインめっちゃいい!
  • ポーにマイケル・ナイトのようなセクスィーな魅力を感じる


今回は「温め直し」までなのでしょう。童心に帰らせてくれるという点では最高傑作。でもメンタルはダサくなった。
これからは、「ベスト・キッド」のような要素よりも、「ナイト・ライダー」や「風の谷のナウシカ」のような要素に気持ちを寄せて楽しめばよいのだ、という落としどころを見つけました。