うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

リッツ・カールトン 至高のホスピタリティ 高野登 著


知人から聞いた話をきっかけに「リッツ・カールトン、さすがだなぁ」と思い、本を読んでみました。
リッツの本を定期的に読み続けたい。いまはそんなモードです。
終盤の、ここがいい。

勝ちにいくのではなく、負けないための舞台をつくるということです。そうすると、売ろうとしなくてもお客様が買ってくださる。考えてみればとてもシンプルなことです。
(151ページ カメがウサギに必ず勝つ方法 より)


 あの組織でなければダメだ。あの会社でなければダメだ。あのホテルでなければダメだ。あの人でなければダメだ。そう強烈に思わせるものがないと、人は動かないし買おうとはしません。今はそういう時代なのです。
(153ページ なぜモノが売れないのか? より)

ほんとそうだよなぁ、と思うんです。だんだん「いい空気を吸いたい」「コンセプトに共感できないもののない空間に行きたい」というような消費になるから。



理念の伝え方、習慣化のようなところも興味深い。

 企業や組織に規範や目標があり、それをもとに、みんなで進んでいくように、宗教の世界にも教義・経典というものがあります。ただ、いくらルールがあり目的が定められていたとしても、時間の経過など、いろいろな事由によって、だんだんそれが原点から外れていってしまうということが起きてきます。

(中略)

 この、感覚を整え直すということを「共通言語化させていく」という表現をします。英語ではコモンランゲージと言いますが、この部分が働いている仲間うちでそろっていると、仕事にブレが生じません。そこから重力が生じてくるからです。
(31ページ 共通言語があれば仕事にブレが生じない より)


 ペットボトルしかり、クールビズしかり、意志の伴わないものはどんどん崩れていきます。何が崩れていくかというと、それは感性です。心の構えが崩れていくのです。
(57ページ 神は細部に宿る より)


 企業の改革も同じです。本来、会社の悪化した部分は手術やリハビリで治さなければならないはずです。しかし、企業のトップ、幹部としては、「研修をやったら痛みを感じなくて済むのでは?」などと、痛みをさける方法を考えてしまうわけです。
(67ページ 痛みに耐えることで強くなる より)

感覚を共有することの重要さを理解しないままの、企業なのに文化祭のノリみたいなサービスは利用していて疲れる。


わたしは相手が冷静であればあるほど「おもてなしをうけた」と感じ、高揚感を見せるサービス提供者のところは避けたくなります。
妙にエモーショナルなおもてなしのない世界が好きなので、いいなぁリッツ。と思いました。


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