うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

おかいものインド哲学

ベトナムにいる間に「買い物」に対してポジティブになるという心情変化があり、それがとてもおもしろかったので、今日は買い物とお金を題材にインド哲学しちゃいますよ。
ベトナムホーチミンにある


このお店で





ワンピースひとつ、マフラーひとつ、ヘアバンド3つを買いました♪
全部で5,100円。デザイン(とくにカッティングとライン)も発色もストレッチ具合もすばらしいブランドを見つけた、と思いました。


まず全体の色使いを見て、ウキッとしました。
この「センスがいい」とか「おしゃれだ」という感じを言語化できない状態は citta が動いた状態です。
海外で町を歩いて「入店」するときというのはだいたい citta。
動いた、というのはヨーガ哲学に合わせた表現で、サーンキヤ哲学でいうと「ウキッ」が展開(avyakta)した、という感じ。



次に、「これはストレッチ性もいいし、こんなときに着られる、あれと組み合わせられる……」
などの理由がどんどん頭の中で言語化されてきました。
言語化できる状態になればなるほど、manas に近づいてきます。自分のなかにある辞書の中のポジティブなイメージに多く結びつけるという作業をします。



これを手に入れたい! 買う〜♪
⇒1)手に入れることで、これをこの場面で着ることで、こういう雰囲気の自分をプレゼンテーションできるであろうと思索する。
これは、ポジティブな ahamkara


⇒2)いまこれを手にしている状態をこの後も持続したい。もって帰りたい。
これは、シンプルな ahamkara


⇒3)旅の記念にもなるし。
これは、ちょっとセコい ahamkara

とまあ、ひとことでエゴと訳される ahamkara にも微妙な機微があります。



そしてここでお金が登場する。お金という、「力を物質として可視化したもの」を媒介にし、モノを手にします。
心の動きを乗せる媒介と捉えれば、お金の動き自体への善悪の発想は出てこないので、世の中のなにかについて「お金が」と言って怒っている人を見たら、なにを言語化することから逃げているのかを観察してみましょう。こういうのもいい題材になります。
自分の心の動きを見つめる以前にお金が動くことに嫌悪感を示す人が日本人には多いですが、わたしはベトナムにいる間に「この国の人たちは、お金の役割をよく理解している」と感じました。こういう国は、今後ますますお金が滑らかに動くようになると思います。


で。
ちょっとセコいアハンカーラというのが、日常的にはどうにもクセモノです。
これは、モノの消費だけではありません。「ただ一緒に数時間過ごしただけで、"ご縁" とか言っちゃって、その証憑として使用しようとするFacebookお友達申請」もそうです。この人と結びつけば、このように自分をプレゼンテーションできるというポジティブなアハンカーラが働けば、それなりに関係作りをしようという発想にもなろうものが、先にセコいアハンカーラが立つことによって引っ込んでしまう。LINEはこのちょっとセコいアハンカーラを最大限に培養してかき回す仕組みで、うまいなぁと思います。「ちょっと」のさじ加減が、ね。




「ちょっとセコいアハンカーラ」を見きわめるだけで、マインドはひとつシンプルになります。
疲れているときは「ちょっとセコいアハンカーラ」に癒やされたりもするので、そういうときは気持ちよくお金を使うのがいいと思います。

▼今日の題材のお店は、こちら
Ginkgo T-Shirts, original & creative T-shirts & Clothing from Vietnam


地球の歩き方にも載っていたけど、素敵なブランド。
タグやラベルのアートワークも美しく、丸いタグはそのままコースターとしてお土産にできるクオリティでした。


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