たいへんタモリ倶楽部的でありながら実用的なバス旅行記。日本のさまざまな場所へ1万円で行って帰ってくるオモシロ旅行が載っています。
絵馬の代わりに置く名刺の個人情報と危機管理能力に疑問を持ちつつ突っ込んでみたり、「これって "つげ義春の世界" だわ」と思ったり。そういうことって、地方へ行くとあるよなぁ〜と、共感しながら読みました。マラソン大会に出るために山のほうへ行ったりするときに起こることを思い出す。
<第8回 木曽路でタイムスリップ より>
土産物屋が店じまいを始めているので、心配になって地元の方に買い出しのできるお店を確認すると、宿場町唯一のスーパーは18時に閉まるとのこと。
聞いておいてよかった。
あるよねぇ。
<第12回 「なんだかなぁ」な場所でも楽しむ方法 より>
(「信濃国分寺」で年に一度開かれる「八日堂大縁日」の日に)
改札で制服姿の男子高校生らが、
「うわ、駅員が改札にいる!」
「3人もいる!」
「すげえ!」
なんて興奮していることからも、きょうの賑わいっぷりがわかる。
あるある。
<第20回 那須はなんだかへんてこだった より>
湯治場なので、炊事場があってコインロッカー式の冷蔵庫なんて便利なものが設置してあるのですが、昼ごはんを提供する食堂はなくて、唯一当日食べられる物は11時までに予約すればつくってくれるというざるそばでした。
あるなぁ。
<第21回 信じる者は救われる?! IN 京都 より>
(「縁切り神社」として有名な「安井金毘羅宮」で)
反省しながら絵馬を見に行くと、「はやく離婚できますように」「あの人と別れてくれますように」などダウナー系で、とくに
「一日も早く健全な人間にかえれますように」
「この先エロじじいが私にストーカーをしなくなるようお願いします」
二つが並んでいたのが気になりました。
ぜひ見に行きたい。
あと、こういうのも、あるぅ〜!
(人気のご当地ラーメン店で、人の背後で順番を待つ間に)
そこでわたしは、見てしまったのです。
一人のおじさんの背後に立ち、見てしまったのです。
「僕も愛してる。」
ラーメン屋で愛を叫ぶ、おじさんの姿を。じゃなかった、おじさんが手に持つガラケーの画面を。
あ"あ"あ"あ"あ"。世の中、知りたくないことだらけ。
おもしろいスポットがたくさん登場していましたが、なかでも養老公園の中の「天命反転地」と福井の「ワンダーランド」が気になりました。