皇居周辺ジョギング途中で予告をチラリと見て以来、楽しみにしていた「あの人の直筆」の展示を見てきました。
国立国会図書館の新館でやっている企画展で、なぜか無料。「あの人」のなかには、夏目漱石、芥川龍之介のほか岡倉天心も! 豪華すぎる〜。と思っていったら想像以上に豪華メンバーでした。メモがいっぱいになりました。
一緒に行った人がアーユルヴェーダを学んでいる読書仲間だったので、写真や文字、余白の使い方などを見ながら「漱石グルジのピッタヴァータっぷり、すげーーー」「与謝野晶子、顔も余白の使い方もカパの安定感でまくり! 子ども11人産んでるってさ。カパの子宮力おそるべし!」「芥川さんは顔も文字もヴァータね〜」などとヒソヒソ話しながら見ました。縦書きのものばかりなので「この人は左利きかな」とか、墨の追加タイミングのリズムで「この人、ひと呼吸が長そう」なんてことも妄想しながら。
このかたの字は、顔の長さにお似合いの細くて縦長の字。タイトルに幅を3行使い「はいここ、タイトルですよー」とするような親切さを感じました。ラブレターの文字が見てみたいなぁ。
で、目的はこの人ですよ。グルジィィィ〜!!(樹木希林の「ジュリーィィィ!!」並みの悶えかたで)
友人の正岡子規に「あの哲学の試験、追試受けたほうがいいよ」みたいなことを書いてあるハガキなのですが、出だしが「凹凸昨君の青白の器を」なんて書き出し。「これは "おとつい?" "おととい?" お手紙でも当て字の小ネタ入れてんのこれ?!」「うわわほんとだっ☆」と、大興奮。
ほかにも……
走り書きのメモを共有します。展示のまとまり順です。半分以上はスルーしているので、印象に残った人と好きな人が中心です。
- 徳川慶喜:超字がうまい
- 本居宣長:字がうまいだけでなく、シーン別書き分けがイイ
- 藤田東湖:字がポップでかわゆい!
- 山東京伝:チャーミングなイラストをふつうにサラっと入れててすてき
- 坂本龍馬:字がうまくない(笑)
- 木戸孝允:字がパワフル!
- 西郷隆盛:字が本人の眉毛みたいに平らで太い(笑)
- 中岡道正:アートっぽい
- 勝海舟:イラスト入りだけどイラストより字の方がハイセンス
- 大隈重信:なんと字を書かなかったらしい。書かなかったという説明展示があった
- 福沢諭吉:すんごいクセ字
- 原敬:左利き? と思うほど左に流れる書き方
- 東郷平八郎:太くてポップ。相田みつを、片岡鶴太郎を想起するような字
- 乃木希典:カタカナ多い
- 和辻哲郎:かわいらしくて読みやすい字
- 泉鏡花&尾崎紅葉の書簡:紙も文字も、感じ悪いくらいズバ抜けておしゃれ! ファッション雑誌に載ってそう
- 谷崎潤一郎:いまでもふつうに読める。読みやすい。編集者さんこれならラクだろう
- 島崎藤村:同上
- 佐藤春夫:(この展示には入っていないけど)宮沢賢治の字と感じが似てる
- 岡倉天心:さすがアートっぽい。しかも一緒に展示されていた横山大観よりセンスがよく見える
- 堀口大學:自著サインがフォントとしてめちゃくちゃオシャレ!
- 森鴎外、永井荷風:領収書の字の展示だけど、なんかオシャレ感がある
- 阿部勝雄:二ヶ国語でイラスト入りの日記を展示。楽しい!
- 白州正子:11歳のときの手紙。便箋と切手がオシャレ! 自分のことを「ボク」と書いている。はるかぜちゃんか!(笑)
11月18日(火) まで開催中。読書の秋、芸術の秋のおたのしみに、おすすめです。