うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

高城剛と未来を創る10人 対話から見えた、その先の世界 高城剛 著


アスキーでの紙面掲載は2008年のものもあって、書籍で出たのが2011年なのでわりと古いかと思いや、指摘の骨子自体は普遍的なものなのでそんなに古く感じませんでした。未来のことを語ってはいるけど、人間という生き物自体はそんなに変わらないという前提なので、やっぱり身体論のところがおもしろかった。
合気道家・整体師の三枝龍生氏との対談ではコンピューターと身体のことが話されているのだけど

三枝:人間は、関係性で病気することが圧倒的に多いわけ。もっと言うならば、演劇性で病気をする人すらいますからね。
高城:いまは人間関係が複雑になっているからということなんですかね。最近は猟奇殺人も非常に多いですが。
三枝:まず、接触をしていないから。
高城:接触? 人と人が。なるほど。
三枝:満員電車の次が、もうセックスみたいなものですから。

ここで切るとすごく極端な話に見えますが、このあとの話がおもしろいです。
ちょっとこれに紐付けて、夏目漱石の「行人」を読んで思い出したことがありました。あまりにも簡単なフラグの立ち方で男性が女性に惚れてしまうエピソードで、身分が上の男性の食べかけのお菓子を、ひょいと身分の下の女性が食べてしまうのがきっかけになるというもの。これは倫理的・精神的・肉体的なボディゾーンを同時に飛び越えた出来事として描かれているのですが、昔からこういう「ちょっと飛び越えたらいきなり突っ走る」ということはあったはずだし、今より多かったんじゃないかな。


この対談の流れでは、高城氏の「最近は猟奇殺人も非常に多いですが」から精神論に転がらずにナマナマしい身体論へ話題がちゃんと戻るのがすごくいい。
この整体師さんの著作を読んでみたくなりました。


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