かねてより気になっていた藤子不二雄ミュージアムへ行ってきました。またヨガ仲間のピロたんが同行してくれました。
わたしたちが浦安に行ってみたりここへ来てみたりしているのは、「エンゲージメントと客層」をテーマにした研究フィールドワークの一環です。
いまホームページを見ると、過去ログに「のび太のバースデー準備中!!」という記載がありますが、わたしが行ったときは「ジャイアンのバースデー」でにぎわう時期でした。
チケットは事前にローソンのLoppiで入館時間を決めて買わねばならないという面倒な受け入れシステムなのに、平日でも完全予約制で大賑わい。
入館の列に並んでいる時点で、「ねずみ大師堂」「くまの子道」とは圧倒的に違う客層のをスキャン⇒解析。
- 大学生のカップルらしき人々が多い。
- 圧倒的に50代以上が少ない。
- アジア系の外国人比率が高い。
- とてもマナーがよく、客同士が仲良しな雰囲気になりやすい。
- 半分くらいは中野のブロードウェイにいてもおかしくない感じの人。
- AKBにいそうな女の子とオアシズにいそうな女性はよく見るが、世の中の大多数であろうどちらでもない感じの女性が少ない。
すでに、「高ハードル=高エンゲージメント」な環境作りに成功している気配がありましたが、展示内にあるメッセージもあたたかく深く、とても大人の空間です。
そして、マンガができあがるまでの手順の展示は必見! すごくおもしろいです。
このミュージアム空間は
藤子不二雄ワールドの「はらっぱ」のような語感や、「まあるい手」などのビジュアル・メッセージの取り入れ方が秀逸。CIがすばらしい。
ユーモアのレベルも少し高めに設定してあるように思います。
「きこりの泉のきれいなジャイアン」という展示があるのですが、そのディテールはGIGAZINEにあったのでそちらを見ていただくとして
手動のレバーで回すと出てきて、ひっこむ。
行列してはいるのですが、6人くらいいるうちの誰かが回すのを「あ、どうも。回していただいて」という感じでみんなで見る。わたしが行ったときはそんな雰囲気でした。
そして、終了後のこのなんともいえないスタンバイ状態を見て、見知らぬ者どうしが「なんだか少し、せつないね」という感じで微笑む。
なんて大人の空間なんでしょう!
はらっぱには
パーマンや
コロッケはコロ助で
メンチカツはドラえもんで
ジャイアン誕生月のソフトクリームはボェ〜っと、こんなんで。
小さい空間の中にこだわりがいっぱいの夢の国なんだけど、でもしっかり大人の夢の国でもあって、人間のおろかさを説くメッセージもいっぱい。我孫子先生はシュールなほう、藤本先生は夢のほう、とぼんやりイメージを持っていたけれど、そんなこたぁなかった。
ぜんぜん、そんなこたぁなかった!
ということを知るきかっけになる本がこのミュージアム・ショップに置いてあって、おもしろかったので後日感想を書きますね。
はじめはチケットの買い方を含めてこんなにハードルが高くていいのか! と思っていたのだけど、行ってみたら、落としどころとしていろいろいいバランスなのかも、と思うことが多かったです。
「夢を実現する場のポリシー」ではなく「夢そのものを考えた人のポリシー」で動いている感じが、浦安とは違うところかな。どちらも思想はあるのだけど、これからは「場」ではなく「人」の時代になっていくんだなと、なんとなくそんなことを感じました。
<とはいえ>
Loppi経由でのチケット予約を強いた後、ローソンからスマートキッチンの勧誘の電話がかかってくるとかいらないDMが届くとか、そういう弊害はあります。このチケット購入だけのために登録する。というモードの選択はできたのかな、手順間違えたかな…。