うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

「ネット発のバズ効果」と「人気テレビ番組の影響」を比較してみた

ウェブ解析ツールを触っていると、ポコッ、ポコッとアクセスの山ができることがあるのですが、こういうのは年に2、3回くらいで、10回20回もあるものではありません。3年以上前は、よく急にアクセスが増えることがありました。だいたい以下のどれかのパターンでした。

  • テレビに出た人(なにかの専門家)の情報を検索した人 ⇒ たまたま本の感想を書いていた記事へ
  • テレビに出てくる健康法を検索した人 ⇒ 本の感想、運動やヨガ関連の記事へ


みのもんたが納豆が肌にいいと言ったら、スーパーから納豆が消えるのと同じような勢い(今はもう、そういうのはないのかな)。アクセスの伸びる小さな山はたくさんあるのですが、ここ数年はテレビの影響とネットの影響が近しいボリュームになってきています。
今日は、たまたま近い期間に数字の規模の似た実例が出たので紹介します。
こんな順番で書きます。

  1. ネットの影響とテレビの影響ボリューム比較
  2. テレビの影響と「Google経由」「Yahoo!検索経由」の違い
  3. ここまでのまとめ、雑感
  4. 関西系テレビの影響とアクセス地域構成比
  5. おまけ事実:今回のテレビの件とよく似た思い出せる事例と、こういうときに本の注文は伸びるかという話
  6. おまけ妄想:インターネットの中で発信力のある人のリーチ力って、メーカーや企業が想像するよりすごそう

※数値は「Google Analyrtics」の「訪問数」と「はてなダイアリ編集ページで見える検索キーワード数」を根拠にしています。


仕事じゃないのでだらだら書きます。


▼ネットの影響とテレビの影響ボリューム比較

まずは、この二つの山をご覧ください。


左の、山が二つ、ギザギザしているのがネットの影響です。
5月25日にアップした「アクセスが伸びすぎないようにしている」というエントリーに、インターネットの中で影響力のある二人のかたが、ご自身の発言スペースでコメントをしてくれました。

このお二人のコメントを読んでいる人たちがそのあとに訪れる流れで、山がお尻みたいにふたつになりました。記事のアップが土曜、最初の山が日曜で、月曜に少し下がるけど、火曜にまた盛り上がる。まとめ読みしている人が多いようです。



右の山は、テレビの影響です。
7月7日(日)昼間に放送された「たかじんのそこまで言って委員会」という番組に出演されたかたの人名検索でアクセスが増えました。グラフ上、山になっているのは翌日の7月8日(月)です。2年前に書いた以下の本の感想記事にアクセスが集中しました。
ぼくが最後のクレーマー クレーム攻防の方法

こんな内容でした。(「たかじんのそこまで言って委員会」サイトの番組紹介画面キャプチャより)

  • たかじんの〜」は、関東の人口の多い県では放送されていないようです(参考:公式サイト
  • 放送日の7月7日(日)はそうでもなく、翌日の7月8日(月)にアクセスが増えました。



▼テレビの影響と「Google経由」「Yahoo!検索経由」の違い
通常、このブログのアクセス元はGoogle経由のほうが多いのですが(参考:まえに書きました)、テレビの影響による検索流入はほとんどが「Yahoo!検索」経由でした。
この爆発した人名ワードだけを比較すると、「Yahoo!:Google=17:1」。テレビ×Yahoo!検索の瞬発力がすごい。関東圏で放送していない番組なので、地方の利用者が多いってことなのかな。ちなみに、7月10日(放送3日後)の関連検索ワード入力補助を見ると、Yahoo!Googleではこんな違いが出ていました。


(左:Yahoo! 右:Google





▼ここまでのまとめ、雑感
ここまでで以下のことがわかりました。

  • Webのなかで影響力のある人×2から派生するアクセス数は、人気テレビ番組の影響による検索流入と同じくらいの影響がある。
  • Google経由のアクセスの方が、自発的に調べ物をする人が多い(インターフェースからしてそうですね)。
  • Yahoo!×テレビの掛け合わせの当日の瞬発力はすさまじい。

こういうのはSEOの短期的な戦略でどうこうできるものではないだろうから、再放送のある番組の恩恵を受けたときは、キーワード広告を買うといいかもしれませんね(番組名とのかけ合わせキーワードが、レギュレーション的に買えるのかはわからないけど)。





▼関西系テレビの影響とアクセス地域構成比
さて、今回はネット(全国圏)と、関西系のテレビの比較でした。同じ内容のテレビが全国放送だったら、たぶんテレビの方がまだ上回るんじゃないかと思います。「たかじんの〜」は、関東圏で放送したら影響力のありすぎる番組になってしまうのではないかな。
実際アクセスが翌日に伸びたことも気になっています。今回の場合は放送時間が日中ですから、日曜と月曜に上乗せ率が半々になってくるくらいが通常の動きだと思うのですが(過去に夜の番組の影響を受けたときがそうでした)、日中の番組にも関わらず、翌日に影響が大きく出ています。今回の例は「クレーム対応」という、仕事に親和性の高いトピックだったので、個人消費につながるダイエット案件とはちょっと違う動きをしたのでしょう。

以下は前週の同様日(月曜日どうし)の比較です。

  • 7月1日のNew Visitor:17.3%(←通常数値)
  • 7月8日のNew Visitor:21.3%(←この時点でビミョウになんかあったかなと感じる)


以下は、両日の上位5位都道府県。構成比は47都道府県中の構成比。

7月1日 構成比 7月8日 構成比
東京 37.9% 東京 34.5%
大阪 15.4% 大阪 13.0%
神奈川 7.0% 愛知 6.4%
埼玉 4.0% 神奈川 6.0%
愛知 3.6% 兵庫 3.9%

意外と変化がない。これは実数じゃないとあんまり意味がないというか、目的を明確にしてみる実数じゃないと意味がないのだけど、いちおう気になる人もいるかなということで。





▼こういうときに本の注文は伸びるか
今回のテレビの件とよく似た思い出せる事例では、5年前くらいに伊達式ダイエットが流行り始めたとき、たまたま過去に行った講座の感想記事にアクセスが集中したことがありました。こういう話をすると、「さぞブログ経由で本が売れたでしょう」と思う人がいるかもしれませんが、このクレームの本の場合は、3日間で1冊も売れていません。伊達式ダイエットのときは5冊くらい売れていたかな。


番組の内容と本の親和性にもよると思いますが、単純に「わー、このすごい専門家の人だれー?」という検索だったのでしょう。なんとなくですが、こういう動機づけで本の購入につながるケースはリアル書店でPOPを見たときのほうが高そうな気がします。
本の購入への繋がりで言うと、ネットのニュースで話題になった(Yahoo!トピックスにもあがった)案件で著者さんの本にアクセスが集中したときのほうが、注文はありました(本は、この本でした。昨年のことなので、あ! 覚えてる、という人もいるかもしれません)。





▼インターネットの中で発信力のある人のリーチ力
広告費を使って全く効果なくスベることもあることを思うと、ネットのステマは実際コストパフォーマンスがかなりよいのではないかな。(裏で動くお金の金額規模は知らないのですが)インターネットの中で発信力・影響力・文章力のある人のリーチ力って、いまメーカーや企業が認識しているよりも、実際はすごく大きく育っているんじゃないかしら。
こういう話を、ソースだ根拠だエビデンスだ承認だってすすめていく企業のプロモーションやマーケティング担当の人って、ほんと大変ですよね。同情します。ソースとエビがあったらお好焼き焼くっつーのな☆
こういうことに気づいている人が「やっぱり」と思うきっかけになればと思い、今回はちょっと細かめに書いてみましたよ。