砧公園のなかにある自然に囲まれた美術館へ、ちょっと息抜きに出かけてきました。
VOGUEに掲載されていた写真など、当時のファッションポートレートの写真展。
「モダン・エイジの光と影1923-1937」というサブタイトルのついた展示で、当時のモデル、ダンサー、俳優女優たちがたくさん登場します。
チャンプリンの素顔のたたずまい、クレタ・ガルボの少しだけリラックスした雰囲気のある表情、ジョン・ベネットという女優さんのチャームなど、印象に残ったものがいくつかありましたが、全体として気になったのが「被写体となっている人たちの姿勢」。
現代の「よい姿勢」よりも圧倒的に猫背で、腰の方の猫背ではなく、肩甲骨の辺りの猫背。「どうだっ☆」という感じがぜんぜんしない。腰がリラックスしています。
いまの時代はなんというか、もしかしたら「よい姿勢論」に縛られているのかも。そんなことを思いました。
ここで観た写真の中の人たちは、姿勢の定義に縛られていない。ファッションやインテリアが完璧に設定された状況の写真でも、身体そのものを見る限り、「スターらしく立ち」「スターらしく撮る」ではなく、「スターはスター」「それを最大限に表現する写真家」というフォーメーションで成り立っていた。
スターに余裕が感じられました。
この日はコレクション展「高橋秀の世界」も観てきました。
シルクスクリーンとエンボス加工が組み合わさった絵。
いっけんデザインぽいカラフルな平面に近づいていくと、ほのかにふくらむ立体の生命力と官能的な曲線が迫ってくる。
仏像や絵はよく観にいくけど、写真展は久しぶり。
こういうのも、いいもんですね。