「かわいい新婚さんとカルト宗教」というものすごいコンビネーションで、一気読みしてしまった。
「不安」という感情が何度も登場して、山のような安定感のあるキャラクターの人がいないのがいい。後半で意外な人の意外な告白でぐーっと引き込まれる。
響いたのは、この二箇所。
不安な時にひまにしていると、体が心から離れて、どんどん不安に力を与えてしまう。
「ひまなときにやりたい、誰にも見せない、ひとりでできること」は、常備薬みたいなものだなぁ。
取り返しがつかないことがいくらあっても、生きていくしかないということだけを、人は言うことができる。
まったく隙のない、ほんとうのことだけの一文。
あっという間に終わってしまう映画を見た後のような気分になりました。
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