うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

東京国際ブックフェア / 電子出版EXPO へ行ってきた

1時間ちょいしか時間がなかったのだけど、きょうは東京国際ブックフェアへ社会勉強に行ってきました。
駆け抜けるように「東京国際ブックフェア」「電子出版EXPO」「クリエイターEXPO」「ライセンシングジャパン」ひととおり見てきました。いわゆる展示会で昨年も行ったのですが、今年はなんだか気合の方向性がひと味ちがう、と、基調講演の演目で思いました。前半はいつものように趣味で、後半は電子雑誌や電子出版についてダラダラ書きます。
4つの展示の中でも「東京国際ブックフェア」は今日が初日。そこでぶつけてきた基調講演が、今年はすごい。


これは午前開催だったので行けなかったのですが、ドン。


解説文を紹介します。

世の中は「無常」。いくら抵抗しても、移り変わります。古いものに固執しては文化が死んでしまいますから新しいことを受け入れていかなくてはなりません。震災後すぐに「寂庵だより」を電子書籍で被災地に届けた寂聴氏が、電子書籍の良さ・価値を通じて被災地に何ができるのかを語るとともに、出版に関わるものが、今どう生きるべきかを訴える。

「古いものに固執しては文化が死んでしまいます」。って、さっさと実行しちゃうところがスワミ。


ブックフェアは本好きにはたまらないイベントで、わたしの場合はいかんせんジャンルが偏っているので、よく読む本の出版社をぱっと見に行く動きになる。今年は「めるくまーる」さんが出展していなかったのがちょっぴり残念。「めるくまーる」のほかにも「筑摩書房」とか「白水社」とかあったら楽しみがいっぱいだったのだけど、今年見た中では「平凡社」と「河出書房新社」が面白くて、「河出書房の向かいに創元社とか、ニクイ配置やめてほしいんだわ」などと思いながら歩きました。一般的には「宇宙兄弟」のブースなどが人気だったようですが、このほかでは



東本願寺出版部はスペイン語歎異抄出してるのか、とか(「おすすめのヨガ本」もあったよ)



おとなりの西本願寺ブース(本願寺出版社)で飛雲閣のクリアファイルをもらって、わーい、と大喜び。
というのはもう個人的な趣味で・・・


わたしは、本が好きなのだけど、楽天


弘法、ではなく「kobo」は目に優しげで、こんなのが欲しかった! という電子書籍リーダーで(読む機械のことね)ものが、久しぶりに本以外のものに物欲が沸いた(本を読むためのモノだけど)。
このプロモーションは、じょうず。大人気で、ぜんぜん触れるところまでいけなかった。



「電子出版EXPO」は相変わらず誰向けなのかがわかりにくいまとまり。
去年も思ったのだけど、このへんのことを感覚的に理解できていないと、楽しみようにもきついとおもう。
会場を出た後、あの空間で説明されていなかったことを落書きレベルで整理してみました。


Aを実現する、個人レベルで出版できますよ、のサービス
Bをプロ仕様に実現するアプリケーション(紙→電子の再レイアウトとか再構成とかのソフト)
Cを実現する簡単でとっつきやすいアプリケーション
のほか

  • アマゾンと同じようにオンラインで本を注文できるんだけどポイントが貯まるよ とか
  • iPadスマホで本を快適に読む、ビューワ(表示ソフト) とか

 誰の、何のためのというバリエーションがカオスなこの世界を理解するのが面倒くさいまま各ブースで話を聞くと、質問時に立ち位置を定めて聞ける人じゃない限り、むずかしい。出版社向けのものと、個人にも夢を与えるものが混在している。話を聞いてみると、1ページあたり2000円くらいの加工で掛け算した初期費用に、管理費が毎月3万円なんて見積もりのものもある。売れた分の金額をシェアする形でその辺は変えられたりするらしいけど、この金額は個人向けじゃない。だけど、質問しないとわからない。



そんなカオスな状況のなか、これはやっていることやポリシーがわかりやすいな、と思ったものを紹介します。
(駆け抜けてたまたま見たもののなかからのチョイスです)


BUKUMO(ブクモ)」 オンラインの個人出版に興味のある人には、これはわかりやすい。ここからリンクしてたどり着いた「インド歴史紀行」は85円。びっくり。



あれもこれもでない機能でとっかかりやすそうな「CAS-UB」。
クラウドとかいわずに「メルマガ作成アプリケーション」として打ち出してもいいんじゃないかと思った。以前「うちこブログはメルマガだったらプリントアウトしなくて済むのに」とか「オフラインで読みたいってこと、けっこうあるじゃない」と言われたことがあって、わたしはやりませんけれども(寝る時間がなくなる)、メルマガニーズは電子書籍リーダーの普及と同じ感覚で一時的に増えそう、と思ったりしています。



個人的には心理学や身体論の分野で頑張ってほしい「学術専門の電子書籍サービス KaLib」。もっとアカデミックなノリで、「学術論文と講義テキストの電子リーダーです」くらいに突っ走ってストックが増えていったら、おもしろいと思う。
このへんの市場はなぜ同じようなサービスがたくさん生まれるのかもんやりとしているのだけど、どうせ何年ももんやりとしているのだったら、大学がこれを導入し始めたとか、そういう普及でも、いいと思う。PDFはしんどい。


もともと使っていた美術出版の「bookpic」のブースは楽しげでした。わたしはこれで美術手帖を読んでいて、松井冬子展へ行った。


さすが美術出版、な、アートなCDをくださいました。
本のオンラインビューワ上で、感想がtwitterでつぶやかれて紙面と混在するという機能なのだけど、オノ・ヨーコさんの特集に本人がつぶやいている。



ただの読書好きの感想ですが、いろいろなことがじわじわと動いている本の世界は楽しい。
紙でじっくり読むのも好きだけど、電子化の世界にも楽しい想像が広がります。
「クリエイターEXPO」ではみなさんリアルにいきいきしていた。たくさんの作品を見るのが面白かったです。「ライセンシングジャパン」は意外と(失礼)おしゃれなブランドもあったりしました。


ヨガの本は、カウンターポーズへのスキップとか用語解説の参照がしやすい電子化が好相性だと思います。
いつか時間ができたら、わたしもこういうクリエイティブなことをやってみたいな、とわくわくするブックフェアなのでした。