高校生のときに母親が読んでいたお下がり本の「キッチン」「TSUGUMI」からはじまって、大学生のころまでに沢山読んでいた。本屋さんへ行っても、どれを読んだことがあるのか、ないのかが思い出せない。あまり旅行っぽいのには手が伸びない。日常の描写が好きなんだろうな。
わたしはこの著者さんは「普通の人生なんて、あるか?」「みんなどこか、ちょっとへんなもんでしょ」ということをせつなく文章にさせたら最強。と思っている。ことさらに狂気っぽく書くことができるそうなところまでハンドルを切っておきながら、そこでアクセルは踏まずに、そうじゃないんだなぁ、と日常に戻ってくる。そういう折り返し感が好きです。
こういう「・・・とはいえ、ね。」という現実感が女性っぽく、それが丸みのある文章に乗っかると心地がよいのです。
この世界が苦手、という人の感覚もわかります。「おしつけてくれそうで、くれない」ような感じや、「ひらきなおっている」ように見えたりするのだと思います。
でもそう感じる時点で、ちょっとだけもうどこか深いところをくすぐられちゃっているんですよね。
▼過去ログリンク(読んだ日付順・上のほうが最近です)
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●アルゼンチンババア
●イルカ
●人生の旅を行く
●Q人生って?
●体は全部知っている
●海のふた
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●ハゴロモ