うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

under control インド家族からのメッセージ

シャルマ家のみなさん
3月14日ごろからフランスを中心に加熱と流布が始まった日本危険説ですが、今週末にその流れが見えてきました。日本人が務めて冷静に行動しようとしている中、海外のメディアが最悪のシナリオを無責任に描き続けたことが、今、首都圏で起きている混乱の一端を担っていると思います。
外国人ヨガ講師の一斉帰国もそうですが、職場にも外国人がたくさんいるので、その影響は目に見えてリアルでした。そしてわたしの元にも一通、フランスで活動するジャーナリストからの避難示唆のメールが金曜に転送されてきました。
過去の旅で知り合ったヨガ仲間や先生には外国人も多く、仲間たちはそれぞれに心配をしてくれていたようですが、そんななか、9年前に母とともにホームステイをさせてもらって以来、交信が続いているインド家族のシャルマ家からのメールがいちばん沁みました。
この家族からのメールの中に出てきたフレーズが、とても心に沁みたのです。



はじめに、向こうからこんなメールが来ました。

Dear Uchiko San,


How are you there? Watching on TV about JAPAN.
Are you OK at your End?
We are worried about you.
Kindly response asap.


Sharma family

とにかく As soon as possible が要求のようです。なので、つたない英語ながらも、とにかく返信! です。

Namasute,Aap kaise hain?
Thanks a lot for your e-mail.
Uchiko & Mother are fine.
It must be serious news you watched in India.
That is so terrible thing but now some brave people work hard on the site of nuclear power generation.
It is said that Tokyo is dangerous place. My mothers place Niigata,also.


If the time would come we have to move from Japan,we don't care it.
Then we would move to our another hometown Minto-City:-)


Certainly,Japan is a very uneasy situation now,
but we can't think about "only" our regarded.
It is time when it becomes one by people in the country of Japan.
Just like "India".


Meet again, all Sharma family.


Dhannyawad.

サンスクリット語やヒンディが混ざっていますが、「Aap kaise hain?」は「How are you?」、「Dhannyawad」は「Thank you」です。「Minto-City」は彼らの家がある場所です。
とっさの英語なので超なりゆきですが、とにかく私と母の気持ちは落ち着いていることと、「いざとなったら、あなたたちの家に行けばいいと思っているから」ということを伝えました。彼らはまず、「心配」をしてくれたので。



そのあとの、彼らからの返信

Dear Uchiko San,


Thank GOD !!!!!!!! Good to hear from you so fast about you and your mother too.
Don't be worried about at all. We prayed too and all will be under control soon, we hope for the best.

Yes yes yes, you and your family always welcome to our home at anytime. Don't be hesitate for anything.

Takecare of yourself more!!!!!!

Have a nice day!

Blessings from Sharma family.

沁みたのは、「We prayed too」のあとに続く「all will be under control soon」です。
こういう表現が普通に出てくるのが、インド人。
ちなみに「Blessing」は、「(神からの)恩恵、天恵」という意味です。
そして、この「under control」をうまく言えなかったのが、石原慎太郎さん。



とっさの言葉というのは、心底染みついていないと、むずかしいのだと思う。
わたしは青島都知事のころから、文章を書いたり表現をすることを生業としていた人が都知事をつとめている東京が好きなんです。そんな表現に長けた人でも、やっぱり「天」や「神」の意向はとっさにうまくは表現できない。
これは、その人の人間性や表現力の問題だけではなくて、「もともと染み付いていないから」なのだと思います。


今日は「春分の日」。日本は、四季が必ず訪れる国。だから、砂漠で暮らす国のように、「とにかく祈る、雨を、頼む。たのむー!」という切実な感じもない。四季に感謝し、「八百万の神」に感謝する「和の国」だ。いきなり天や神を語ろうと思っても、めぐる四季の中で確実に雪解けをくりかえしてきた環境では、「真剣度」が到底かなわない。


急に欧米人になろうとしたり、急に善人になることなんてできない。
急にインド人になろうと思っても、「under control」なんてボキャブラリは、それまでのわたしにはなかったのでした。