うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

咀嚼、噛むこと。食べる瞑想

uchikoyoga2011-01-15
宿坊にいます。暖房機のかすかな音だけの環境で食事をしました。


ああ、噛んでる噛んでる。
筍の繊維の横断線と、私の歯の縦断線が、いままさに噛み合ったぁぁぁ〜‼
ザァクゥゥゥーーーッ‼


といった具合で、中の古舘さんが喋りっぱなし。
そのたびに、「ああ、個性豊かな食べ物(別の生き物の力)を摂取している」と感じる。
「うちこちゃんという生き物が、食べるという行為を、いままさに、しているでわないかぁーっ!」という中のオッサンの声も聞こえてくる。


走ることとすごく似ているけど、都会では頭蓋骨の動く音がここまでよく聞こえる環境というのが思いつかないから、マラソンよりも手軽ではない。


そして逆のことを思う。
この音が、「生かされているいま」ではなく「孤独」を意識するきっかけになることもあろうということ。
今日の自分がひとりでこの音を観察していても孤独を感じないのは、お寺の人たちが作ってくれたご飯だからだろう。


心のこもっていない食べ物はなにひとつないのだけど、わかりやすい案内がついていないと不安な人には、咀嚼音を消してくれる「ほどよいノイズ」が意識を散らしてくれる。


いつからか、お昼ご飯を食べる機会を逃したときは、食べない生活になった。
お昼に買ったあたたかいお弁当を4時ごろまで手がつけられなくて後で食べたとき、「不適切な食事」をしている気がして、お弁当を買っておいた自分の行動がよくわからん! と思ったから。


たまに原始的な行動をじっくり観察してみると、自分で自分を不感症にしていることに気づく。
心を静かにするのはむずかしいけれど、周りが静かな環境に身を移してみるだけでも、「意味不明のなにか」は少しずつ沈殿していく。


感じる余裕がない瞬間に食べるという行為をやめてみたら、いいダイエットになりそうだ。