うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

父の財布を盗んでくれた泥棒さんに感謝

かしているおさいふ
仕事のドタバタ、他部署との温かい交流、ヨギとのふれあい、ふんだりけったりで土曜は発熱して、今週はなんだかいろいろなことが起きましたが、ちょっといいことがありました。
父の財布が盗まれたのです。
お酒が買えないここ3日間、我が家はとっても平和。
こんな生活は久しぶりです♪


ここにはめったに書かないのですが、過去に日記に書いたことがあるので古くからのリピーターさんはご存知のとおり、わたしはアルコール中毒の父親と同居をしています。
ここで日記を書き始めてからこの介護生活に入ることを決めたのですが、軽く報告をしたときには本当にたくさんのかたに励ましや物資をいただきました。(ありがとうございました)
当時の日記を見ると、2年前には「父のさらなるアル中を食い止めるため」と書いていました。いまは、そうではありません。仕事を辞めて、「父のさらなるアル中を食い止める」ことを仕事にするくらい生活を変えないと、無理なものなのです。アルコール中毒というのは、ものすごいものです。

先日、芸能人が覚醒剤で逮捕された映像を見たとき



 うちのとーちゃんみたいだな



と、思いました。
クスリって、痩せるんだなぁ。くらいの違いしかない。目は本当にあんなかんじ。


だからといって毎日暗い気持ちで暮らしているわけではもちろんありません。
この生活に入って、さまざまなことを学んでいます。
ある意味、父の存在は「教材」です。
大学で心理学を専門に学んでいる人よりも詳しいのではないかと思うくらいです。


はじめのうちは、かなり頑張っていました。更生施設や更生を目指すソーシャル・グループワークなどについてもよく学びましたし。仕事を見つける手配も手伝いました。父は半年ほど、シルバー人材センターの駐輪場で働いていたこともありました。
これらのことからも、ものすごく多くのことを学びました。


警察が助けに来てくれたこともあります。朝っぱらから4人も来てびっくりしました。
警官という仕事をしている人たちのリスクヘッジ・マインド(マニュアルとかがあるのかな)についても学びました。



言葉の暴力は日常茶飯事、身体を使った暴力は「ものを投げる」などの形でありますが、確実によけなければいけないものは包丁くらいのものなので、楽勝です。


家に帰ったらパンツをはいていない父が自分のおしっこでできた池の真ん中でうずくまってなにか叫んでいる、なんてこともしょっちゅうです。
最近は完全にそれを放置しながら日記を書いているくらいです。


いちばん怖いのは、「火事を起こさないか」ということ。とにかく、これだけです。
我が家に設置されている探知機は、換気扇をつけ忘れてチャーハンを炒めはじめると作動するようなツメの甘さなので、しらふのときに「料理が趣味」の父には「また鳴ってるよ」ということになります。ちなみに父の料理は爆裂うまいです。
もともと料理人だった父は、身内の借金の負債をかぶって自己破産し、ここまでおちぶれました。その間にもそれなりに努力をしていたこともあります。


あるとき気づきました。
対応方法はひとつしかないのです。



 父が「よかった」頃の残像を忘れる



いまはいま。
あるがまま、です。
父のアル中を治すために仕事を辞めるなんて決断はできない自分の今の、「あるがまま」。


以前このことについては「うつ、アルコール依存症の人と暮らす人へのアドバイス」という記事に書いたことがあります。



このアル中介護生活については、私生活で接する古くからのお友達はいつもなんとなく気にしてくれているので、会うと「お父さん大丈夫?」と言ってくれるのですが、「まあいろいろあるけど、学んでいます」という状況なんですね。



それで、今までは『父が「よかった」頃の残像を忘れる』という自分ひとりの対処法しかないと思っていたところに、天使のような泥棒さんが父の財布を盗んでくださった。
父をどこかの施設に入れようと思ったり、ましてや仕事を辞める決断に伴うコストに比べると、



 めちゃくちゃコスト・パフォーマンスのいい解決法♪



であり、さらに父は
昨日今日で「警察へ行く」「銀行のカード引き落としを止める策を探して対応する」「図書館へ行く」「区役所へ行く(これは明日みたい)」などの行動を起こし始めています。



 なんと健康的な!



「5万円貸して」といわれましたが(なんでそんなに……)、「平日にならないと手数料が高いから」といって2日間逃れて数千円単位で渡しています。わたしが土曜に熱を出していたので、とても言いづらい状況であったことも幸いしました。
ちなみにわたしは、こういったことでの金銭感覚はかなり麻痺しています。なんで年金をあれだけもらっているのに、家賃をあんなにしぶってお金がないと言っているのかとか、考えても「依存するものにお金をつっこむ」感覚にはまったく同調ができないし、想像が及ばないからです。


でも、「図書館から本が借りられなくなってしまうね」(わたしの図書館カードも父が持っていて、自分のを借りるついでにわたしのも借りてきてくれます)と言ったら、「おっとそれもあったか」と言って、さっそくその日のうちに図書館で再発行手続きをしてきてくれました。
(わたし本人が行かなかったので、そこでまたすったもんだあったようですが……)



いやー、それにしても今回の件は、まじで感謝。
久しぶりに心身ともにリラックスできています。
ちなみにお財布は自転車のかごに置きっぱなしで、でも盗まれないように布で隠してちょっとスーパーの中へ入ったときに盗まれたそうです。おもろいなぁ。


できれば毎月1回の頻度で盗んでくださると、わたしの心身が休まって助かりますw。
(写真は、わたしがきょう父に貸したお財布です)