うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

世界一の庭師の仕事術 路上花屋から世界ナンバーワンへ 石原和幸 著

石原和幸さんというランドスケープアーティストのサクセスストーリーの本。
自分で選ぶ本がヨガや修行方面に偏っているので、たまにこんなふうに、なにげに友人にすすめられたものを読むようにしています。


紹介いきますね。

<60ページ 人が買わないものを安く売る より>
 困ったときの10円セールをした日は、たしかに赤字は出るものの、店は空っぽ。在庫がすべてはけます。
 次の日にはまた大量に花が入ってくるわけですから、それでいいのです。毎日商売をしているのだし、もうかる日もあれば、在庫を一掃する日もある。トータルでもうかれば、いい。
(中略)
 そしてぼくが独立して三年後。
 市民の花の消費量日本一に、長崎がなったのです。

リスク回避を優先して勝手に自分をしめつけるようなルールを決める息苦しさは、呼吸がうまくいかなくなって、循環しなく、血が古くなる。そんなことと似ている感じがする。エクスへールあってのインヘール。(強引? 笑)

<73ページ 親父の死 より>
 小金を持つようになり、ハングリーさがなくなって、天狗になっていました。かといって、先に突き抜けられる道も見つからず、とにかく意味もわからずお金ばかり使い続けた。
 けど当時は、自分にハングリーさがなくなったことも、停滞感が漂っていることもぼくは気づいていませんでした。

停滞感が漂っていることを自覚したときにどうするか、というのは、うちこにとっても課題だ。

<76ページ 親父の死 より>
 ファッションブランドのキャサリン・ハムネットが東京進出をしたとき、店内の花のディスプレイを担当したのをキャサリン本人にとても気に入ってもらい、「パリコレにも出ないか」と言ってもらったり、故・相米慎二監督の『風花』にかかわったりもしました。

この映画を観ていたので、ああ、あのラストのお庭のデザインの人なのか、というメモ。

<90ページ 失敗からつかむもの より>
 思い描いた夢や目標にたどり着こうと、誰よりも必死になって走れば、予想外の早さで到達できることがあります。たどり着くまでの道のりすべてが自信となるし、思い描いた山のてっぺんに立てたときには、「人の何倍も必死になったのだから当たり前だ」という自負も生まれます。
 けれど、そこから先に進めない。以前なら一○の力で挑まなければならなかったことが、七の力、ときには三の力でできるほど、自分に力はついているのに、しびれるような達成感を得られる瞬間がなくなっていく。そして、力がついた分だけ、知らず知らずのうちに必死さも減ってゆく。

力がつくほど、達成感の求め方も変わっていかなければいけないんじゃないかな、と思うことがあります。

<97ページ 世界を見た衝撃 より>
 人生には、時期というものがあるのかもしれません。自分から、次なる目標を求めてもがく時期は、いわば種まきの時期にすぎません。けれど、いろいろな種をまいておいたからこそ、「これだ!」と思えるものに出会えた。停滞しているからこそ、次なる目標が見つかるまでの期間をどのように過ごすかが、問われるのです。

さっきこれが課題と感じていると書いたけど、そこがやっぱり問われるみたい。

<133ページ 四五歳からの挑戦の末に、見えたもの より>
 チェルシー・フラワーショーに挑んだことで、仕事の意味を見出すことができました。
 目の前のお客さんを喜ばせなくてはといつだって思っていたけれど、「借金を返さなきゃいけない」ということが常に頭のなかにあって、「任せてください。バッチリ仕上げます」と言いながらも、どこかうすっぺらだったことに思い至ることができました。目先のきれいさばかりに、気を取られていたのかもしれません。ぼくがいいと思った庭を、「いいでしょう」と押しつけていた気もします。

どこかうすっぺらであることは、たぶんそのときも気づいていて、認められるステージに進んだということなんだろうな。

<156ページ 会社を大きくしたいとは思わない より>
 ぼくの思い描いている夢が、世の中に、人類に、必要とされているのかを問い続けなくてはなりません。世の中から必要とされない会社は、存続することができないからです。

インド人には「誰にも必要となんかされてない。そんなこと求めるのか!」って言われちゃうので、こっちのほうが明らかに一般的に適切、なのかな。

<158ページ 会社を大きくしたいとは思わない より>
 小さいけれど筋肉質で、やってることは世界一。そんな会社を目指しています。

「筋肉質」で、呼吸がスムーズなのがいいですね。

<179ページ 目標があれば、すべてが学びになる より>
 目の前にある仕事に必死に取り組んでいれば、日常生活のなかからだって、いくらでも学ぶことはできます。
(中略)
 一生懸命やれば、仕事以外の時間であっても、すべてが気になります。盗むし、真似するし、情報をいつも取り入れようとします。そのなかから、いいと思ったものをどんどん足していくのがぼくのやり方です。
 ものごとを極めるのに、素質や才能は関係ありません。
 もし素質があるとしたら、練習をする素質です。

ここはシンプルに共感。

<186ページ 世の中にやる気のないときほど、チャンスあり より>
 グチばかり言うような人がいるなら、そういう人とは時間を過ごさないことです。その人たちはその人たち。自分とはベクトルがちがうのだと思えばいいのです。
 ぼくと出会って辞めていく社員もいます。でもそれはそれでいいのだと思います。
 組織に「仕事ほどほどタイプ」ばかりが増えてしまったら、そのときはメンバーをぼくなら変えます。きみはきみの生き方がある。自分の人生を生きてほしいと言って。

ここはシンプルに励まされた。


どんなお仕事本も、現代版カルマ・ヨーガの教えと思えばそうなのですが、時間が現代に限定されて、具体的であればあるほど読みながら自分に向き合う時間が浅く感じるのは、これはインド哲学の読みすぎかもなぁ。と思いました。職業病ならぬ、ヨギ病か。

世界一の庭師の仕事術 ~路上花屋から世界ナンバーワンへ~
石原和幸
WAVE出版
売り上げランキング: 87895
おすすめ度の平均: 4.0
5 これから起業するかたのお薦め
2 タイトルと内容が一致していない。
3 自己実現と経営の本
4 働く意味を見直すために
5 人生の境地へ到達!