うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

シスター・チャンドラとシャクティの踊り手たち(映画)を観ました

今日はお昼に、青年海外協力隊などの国際協力活動で知られるJICAの施設「JICA地球ひろば」の映画上映イベントへ行ってきました。今月、インド特集を展開しています。
今日は日本人監督によるドキュメンタリー映画シスター・チャンドラとシャクティの踊り手たち」が上映されました。


まずひとこと。
すばらしい内容でした。
DVDで観ることができます。(末尾にリンクあり)


インドのカーストについては、うちこはこの場で本の紹介を通じて何度か書いてきていますが、この映画は2008年作で、かなり最近の状況を見ることができます。
過去にここで紹介した本の要素とあわせて紹介すると


山際素男さんの「不可触民―もうひとつのインド」にみるダリッド(不可触民)女性への差別の状況が、シスター・チャンドラさん(上の写真の人)の口から、さら〜っと語られる形で登場します。「あとは、性のはけ口にされるか。」みたいな口調です。
急病時に緊急病院で受け入れの際に「ありえない金額の前金」を条件にされ、医者は患者を置いて帰宅。そこで夫を失ったおばさんの話も、この本の内容を思い出させました。

■同じく山際素男さんの「アンベードカルの生涯」に出てくるのと似た状況があります。ダリッドのチャンドラさん自身が、水がめで水を飲んだだけで平手打ちにあい(汚れた者が、同じ容器に触れたということ)、それがこの物語のルーツとなるエピソードのひとつとして登場します。

佐々井秀嶺さんの歩みを山際素男さんが綴った「破天 一億の魂を掴んだ男」の佐々井さんと、チャンドラさんが、いろいろな場面で質的に重なります。チャンドラさんはキリスト教です。ダンサー集団を率いています。



物語のあらすじは、公式サイトでの説明をご覧いただくのがよいでしょう。情報が豊富です。
この映画の素晴らしさは、ダリッドのみなさんがとにかく「明るい」。これに尽きます。
最後のチャンドラさんの言葉には涙が出ました。チャンドラさん、めちゃくちゃ今どきの人なんです。怖いくらいの軽さがある。そして監督さんの編集で登場する「合いの手のような字幕」も、ときに笑いを誘う。ダリッドの子供たちのサマーキャンプのシーンで、会場が笑いに包まれる場面が何度かありました。


この映画は、前半はダリッドのダンサー集団とその環境を作ったチャンドラさんのお話、後半はそのダンサーの女の子とその家族の生活が、生々しくインタビューも交えて展開していきます。特に後半には、もう目も心も離せなくなる「現実」がそのまま、あります。
インドの女性の結婚で発生する「ダウリ(ダウリー)」の問題と、結婚相手が決まった女の子たちのインタビューのコントラストには、ハートを雑巾絞りにされる。
でも、明るい映画なんです。


たくさんの人に観てもらいたいと思いました。

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