うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

「うつ」になりやすい人 加藤諦三 著

仕事仲間のオカン(というあだ名の人)から借りました。
オカンは自分で「私は絶対うつにならないタイプだわ」と思っている人らしく、かつ、うちこもそうに違いないと思っているようで「うつになる人の気持ち、わからないでしょ。勉強になりますよ」といって貸してくれました。
が、うちこはこの本を読んで、「自分は100%、うつにならないタイプだ」とは思わず「半々だなぁ」と思いましたが、どうも彼女の言い分では、うちこはうつにならないらしいのです。


オカンの説明は、こうです。「うつになる人は、例えば "焼き魚定食" と "ハンバーグ定食" で迷って、焼き魚を選んで食べている間も、焼き魚のおいしさを味わえず、"ハンバーグにすればよかったんだろうな" と思うんですよ。うちこさんは、そうじゃないでしょ」と。
うちこの返答は、こうです。
「私だったら、一緒にいる人にどっちか食べたい方に興味があるかきいて、結果両方が手元にある状態にして、一緒にいる人からひと口もらう!」


さらにオカンのテストは続きます。
「うちこさんは、今日"ヨガ" か "ジョギング" のどっちかしかできないとして、どっちを選んでも、それを楽しめるでしょ」と。
うちこの返答は、こうです。
「だって両方やったら筋肉痛で、翌日会社しんどいじゃん。どっちかしかできねーよ」

オカンのテストを受けていると、まるで精神的に健康みたいな気分になってきますが、決してそんなことはありません。たしかに身体能力はあるかもしれませんが、精神はそんなに健康じゃないと思います。


この本は、ヨガの面でも勉強になりました。いくつか引用します。仕事にたとえると愚痴っぽくなっちゃうので、ヨガにたとえます。

<29ページ 心とはうらはらの仕事熱心 より>
義務感・責任感が強いように見えるが、じつは無責任でいたい。仕事熱心に見えるが、じつは怠けていたい。
うつ病患者の特徴的動機は退行であるとアーロン・ベックは述べているが、そのとおりである。

「ほかの人よりうまい」という印象づけにやたら一生懸命だけど、鍛えて伸ばすべき箇所の本質には向き合えない感じでしょうか。

<62ページ 我慢しているのに人間関係のトラブルがつきまとう より>
執着性格の人はそうでない人にくらべて我慢することが多い。それなのに執着性格でない人にくらべてトラブルも多い。
(中略)
執着性格の人の我慢は恐怖からの我慢である。嫌われることへの恐怖、低く評価されることへの恐怖、拒絶されることへの恐怖などから我慢を続ける。
そして執着性格の人には自分の目的がない。
目的があれば人は前向きに努力できる。

これから身体を柔らかくするためにヨガをすればいいのに、やる前から「身体が硬いんですけど・・・」と一生懸命訴えるのは、この心理かな。

<81ページ 好きなことがない より>
執着性格者にとっての致命傷は、好きなことがないことである。好きなことをしていれば、働いていても心は休めている。
好きなことがない人は身体が休んでいても、心は休んでいない。

いつもヨガ仲間と「暇さえあればやりたいことがある者同士なら、好きなことのジャンルは違えど、いい友達でいられるね」という話をします。

<83ページ 好きなことがない より>
エネルギーには、プラスのエネルギーとマイナスのエネルギーがある。
マイナスのエネルギーは復讐のためのエネルギー。権力やお金を求めるエネルギー。自分を他人に見せるためのエネルギー。
自分のために生きるエネルギーのない人には、虚しさがつきまとう。底なし沼に落ちていく。

ヨガで、たまに「自分を他人に見せるためのエネルギー」にとらわれている人を見ると、残念だなぁと思います。ねじりのポーズで、ウエストをシェイプすることばかりを考えて、肝心な背骨を無視してたりとか。

<104ページ 嫌いなことが自分でもわからない より>
好きなことがあってはじめて、嫌いなことがある。嫌いなことがあってはじめて、好きなことがある。
「自分はこれが好きだ」とわかったときにはじめて、「自分はこれが嫌いだ」とわかる。
逆も同じ。嫌いなことを嫌いと意識したときに、好きなことも見えてくる。
(中略)
じつはうつ病になるような人は、自分がしていることが嫌いだとわからないで、一生懸命に嫌いな仕事をしているのである。

これは個人的なことですが、うちこは進学とか就職とか、すべて消去法で選んできました。「やってみないとわからないことを好きかなんてわからない」という自論を持った、いやな高校生でした。「5教科はもうできるだけやりたくないから、4教科の中で、運動か美術だなぁ」と思って芸術大学を選んだのですが、運動の道に進んでいたとしても、今と大差ないような気がします。

<141ページ 決められたこと以外はものすごく億劫 より>
心理的に健康で活動的な人は、メランコリー親和型の人が何かにめんどうくさがると「どうしてそれをしないのだろう?」と不思議がる。「そんなこと、ぶつぶつ文句を言っていないでさっさとすませてしまえばいいのに」とか、「嘆いていないで、どんどん行動すればいいではないか」と思ってしまう。

硬いとか言ってる間に、息吐きながら伸ばしてみ。と。

<160ページ いつまでも続く悪循環 より>
彼らはいまを勝負している。まずは0を1にすることから始めればいいのに、いきなり100にしようとするから、きつい。

おでこを膝につけるポーズ(Standing Head To Knee)が、まさにそれだなぁ。

<173ページ 定年が途方もなく怖い より>
攻撃性が「驚異的な働き手」となって表れることもあれば、おかしな例では、カルト集団の会員が教祖を異常に支持するというかたちで表れることもある。直接解消できない自分の攻撃性を、教祖を担ぎ上げることで解消しているのである。だれかに向ける反撃を信奉というかたちで解消している。

尊敬とか、親しみ表現の背景に「依存」や「攻略してしまえ」という気持ちが見える人を師匠は見抜きますが、それでも適当に流しているのがストレスなんだろうなぁ。


今日はちょっとわかりにくかったかもしれませんが、無理矢理まとめると、「急がば回れ」を楽しめない人がうつになりやすいのかも知れませんね。「回る」過程を楽しめるようになれば、一日が24時間じゃ、とても足りないように思います。
「回る」過程の葛藤の免罪符が、「わたしってデリケート」のアピールとも受け取れます。でもそれは、古今東西「超美人」にしか許されない免罪符なんですよね。現実は(自爆)。おら、地道にがんばるだ・・・。

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