気軽に読める、女性向けフィットネス雑誌の連載をつなげたような感じの本です。
出版されたのが2004年。「できる女」とか、そんな表現がいっぱい出てきています。4年前の本ですが、そのくらいがちょうど「時代」を感じるのかもしれませんね。数年前のドラマを見るような。
そんなわけなので、タイトルの通り、「仕事でうまくいかないあんなこと、こんなことを克服する」「前向きな自分になる」だとか、そんな目的を軸にこの本は構成されています。
ターゲット層である「OL」どまんなかのうちこから見ても、その目的とポーズの構成は、すごく正しいと思います。綿本さんの解説がわかりやすいといわれる理由に、至極納得。
ポーズを覚えたい人に向けた本としては、初心者向け。読むべき人として、綿本氏というよりも、「KKベストセラーズ」さんが想定しているのは、以下と感じました。
- 「自分は仕事ができる人」と "ほかの人と比べて" 思われたい
- 上司の目が節穴で、正しく評価されていないと思っている女子
いろいろな視点でおもしろくて、メモしたいところもしっかりありました。紹介します。
<19ページ 柔のコミュニケーションで必ず「できる女」になる! より>
上司や同僚などと人間関係がうまくいかないと感じたら、その背後には必ず「剛」の考え方が潜んでいます。つまり、相手の気持ちや考えを無視して、自分の考えややり方を押し通して進めようとしているのです。
(中略)
対象が身体であれ、心であれ、仕事であれ、他人であれ、「相手をよく理解した上で、同じ方向を向いて進んでいく」というコミュニケーション能力が身につけば、あらゆる対象との調和が築かれ、よい方向へと導いていけることになります。その能力こそがビジネス力をアップするエッセンスであるといえるのです。
企画書が通らない! とイライラしている人は、メモですメモ。ここ大切。
<36ページ 呼吸法と効果は深く結びついている より>
ヨーガの効果的な呼吸法で一番大事なのは、"正しく行えているか"ではなく、"気持ちよく行えているか"ということです。
そうそう、正しさにこだわっていると、ノルマになってしまう。
<50ページ Q&A「身体がすごく硬いけれど大丈夫?」という質問への回答文より>
むしろ硬いほうが効果を実感しやすいというメリットがあります。ポーズを行っているときに、身体がピリピリと感じる部分を確認できるので、意識を向けやすく集中力も高まります。
逆に身体が柔らかすぎる人のほうが、楽にポーズをとれるので筋肉もあまり使われず、効果が出るのにかなり積極的な集中力を必要とします。
ここ大賛成。うちこはどちらかと、ヨガを始める前から学生時代の部活の生理体操で関節と筋肉の動かし方を心得ていたので、「ここがこんなに変わった!」という感動の少ないヨギなのです。なので、硬い人の成長のよろこびっぷりを見ていると、うらやましくなります。
最後に、せっかくなので、この日記で紹介したことのあるポーズを、この本の項目にあわせて整理してみます。
【1】ストレスを解消する
鷲のポーズ、ダウンドッグ、ほか犬のポーズ、トリコーナアーサナ
【2】動じない心をつくる
立ち木のポーズ、イスのポーズ、ほかトンビのポーズ
【4】集中力&やる気をアップする
英雄のポーズ、立ち弓のポーズ
【5】コミュニケーション力をアップする
背中を伸ばすストレッチ、コブラのポーズ、ガス抜きのポーズ
【6】自分らしく生きる力をつける
太陽礼拝
【7】女性特有の身体の不調を解消する
開脚のストレッチ、合蹠のポーズ
【8】コリ・疲れを取り除く
半月のポーズ、大腿筋を伸ばすポーズ、座位の脇ストレッチ
【9】内臓の不調を解消する
ねじりのポーズ、ラクダのポーズ、鋤のポーズ、肩立ちのポーズ
ご参考まで。