この本は、発売されたときに二人の読書仲間（テルテルさんと、同僚のサトシン君）が同時に感想を書いていて気になっていました。同僚のシカちゃんも読んでいて、貸してくれました。わたしの感想は当然ヨガ的なところに激しく偏りますので、ちゃんとした感想を読みたい人は、「テルテルさんの感想」を読むと良いです。
須藤元気は格闘家。バシャールは、ひとことで言うと「宇宙人」なのですが、具体的には地球の時間で3000年後の惑星エササニの多次元的存在。この二人の対話の間にいるのが、ダリル・アンカというチャネラーでポール・アンカの親戚。（「多くの歌手を輩出した家系なので、声がいいのですよ」とバシャールが紹介する場面あり。）
うさんくさい…と思いながら読んでも、それでも面白く読める本になっているのは、須藤氏のファミコン世代的なトーク・センスのたまものです。
格闘家は（想像の範囲ですけれども）「自分の弱さに直面する瞬間」をたくさん味わっていると思うので、その心理的なものに非常に興味があります。
そんななか、あの圧倒的な明るさと豪快さでドロドロした社会も世界も渡り歩いてしまう猪木氏や、ボクサーですが畑山氏の集中力に注目していました。その他は、やっぱり田村亮子時代の谷亮子さん。
わたしは長州藤波世代のプロレスとともにお茶の間でゴールデン・タイムを過ごし、その後も相撲を含めて格闘技をわりと見て育っちゃったので、書き出すときりがありませんから、本題に戻りますね。いつものように、グッときたとこ引用します。
＜16ページより＞
須藤：バシャールも怒ったりしますか？
バシャール：いいえ、ノーサンキューです。それは私たちの好みではありませんし、私たちのやり方でも、選択でもありません。そのようにする理由もありません。
怒ることについて、「好みではない」という表現に、目からウロコ。よく、「ここ数年で丸くなりましたよね」と、後輩にまで言われてしまうことがありますが、「怒る」ということのもたらす波動がどうも「好みではなくなった」という感じなだけなんです。「本題と関係ないなぁ」と思うことはよくあるのですが、好みではない、という表現は本当に適切だなと。
＜23ページより＞
（須藤氏が声についての質問を繰り返す流れから）
須藤：ヴォイス（声）にこだわりたいので、具体的にお願いします。
バシャール：まず、体がまっすぐになっていること。そして、体の中のエネルギーが流れていること。さらに、背骨、チャクラの調和がとれていることが大事です。それによって、より多くの酸素が入り、体がまっすぐな状態に保たれ、エネルギーが増幅されます。体があたかも空洞の管のようになり、情報やエネルギーが体の中を流れるのです。
これは、音を出しているのではありません。体を通るエネルギーの流れで音が起きてくるのです。
また、この呼吸が海の波の音のようであることに気づいてください。単に鼻から息を吸っているだけではなく、のどのうしろを開いているのです。これは、みなさんの世界でヨガ的呼吸法と呼ばれているものです。
「体を通るエネルギーの流れで音が起きてくる」という感覚は、わかるなぁ。
＜84ページより＞
須藤：近い将来、お話にあったようなフリーエネルギーが現実のものとなったとき、農業は大規模に産業化されるのでしょうか。それはどのようなシステムになるのでしょうか。
バシャール：（中略）覚えておいていただきたいことは、ナチュラルに有機的に栽培された食べ物は、それほどたくさん食べる必要がないということです。（中略）有機栽培やナチュラルな育て方をした野菜の場合は、栄養素がより多く含まれているので少し食べるだけですむのです。
これは、こころの寂しさを「お金をかけた有機野菜」だけで埋められないでいる人々に読んでいただきたい一説。なんでメタボな体型になるほどに食べても満たされないのか。お金をかけてナチュラルな空気を吸いにいっても満たされないのか。
＜153ページより＞
須藤：要するに、信念のエネルギーと物理現実はイコールということですね。
バシャール：もちろんそうです。それはすでにご存知ですね。これは波動、周波数の問題です。たとえば、蒸気や水、氷。これらの本質は同じですが、周波数が違うのです。エネルギーは蒸気のようなもの、物理的現実は氷のようなもの。でも、すべて水によってできています。
ヨーガ・スートラに残された言葉や、さまざまなヨギの偉人がよく水を題材に話すこともそうなのですが、バシャールも同じことを…・
まさかこんなにヨガ的な話が出てくると思わなくて、読んでみてびっくりしました。ヨギの話をきいているようで。「読んだよ」とシカちゃんに言ったら、「須藤元気のボケがちょっとクドくなかったですか？」とすぐさま言ってきたのが、いかにも彼女らしくて可笑しかったです。
