以前、パラマハンサ・ヨガナンダの「あるヨギの自叙伝」「人間の永遠の探求」の感想を書きましたが、この本の著者はヨガナンダの師であるギァナアヴァター・スワミ・スリ・ユクテスワ・ギリ師の本です。
小さく、コンパクトで文字数も少ないのですが、すごいですこの本。この師も、ヨガナンダ師も「ヒンズー教とキリスト教の教えの一致」を説いている人ですが、この書の中でも福音書の引用とあわせてスリ・ユクテスワ師の教えが展開されています。
文字量が少ないので、キリスト教に関心がある人が読んでも非常に興味深く読みやすい一冊です。
どれをとってもためになる教えばかりですが、なかでも第三章の「手順」は必読。「自然の理にかなった生活とは」という項目で非常に興味深い記述がありました。細分化した項目に「歯の観察」というのがあります。そこに書かれていることは
人間の歯は肉食動物、草食動物、雑食動物の歯とは似ておらず、果食動物の特徴をそのまま持っている。人間のからだは果実(果物、木の実、穀物、根菜類)を常食とする動物であると推論できる。
という理論。
このほかにも、もうひとつ厳選して紹介したいのが、「心の八つのゆがみ」。
スリ・ユクテスワ師によると、この八つのゆがみとは
憎悪、恥辱、恐怖、悲嘆、非難、人種的偏見、血統的優越感、虚飾
ここからプラーナヤーマの効用などに項目が続いていくのですが、この一連の教えも深い。
この本全体を通して感じたことは、この師の教えはタイトルの通り非常に科学的であり、いっけん抽象的になりがちなヨーガ的なことが、とてもロジカルに書かれている印象を受けることです。すばらしい。
▼おまけ
●あるヨギの自叙伝 パラマハンサ・ヨガナンダ
●人間の永遠の探求―パラマハンサ・ヨガナンダ講話集
●パラマハンサ・ヨガナンダとの対話 スワミ・クリヤナンダ 編
●サージェント・ペパーのジャケットに写るヨガ聖者4人の話
▼英語のKindle版はかなり廉価