うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

社会生活と平行して少しずつヨーガに近づきたい人へ、わたしがおすすめする特選書籍10


半年ほど前に「おすすめのインド哲学クラスを聞かれても、むずかしいなと思うこと」というのを書きました。
これは、ヨガクラスの後にいただいた質問をきっかけに、その話をしようとすると小一時間かかると思ったことを文章化したものでした。
そしてそのとき、おすすめの本なら紹介できるかな…と思ったのですが、ここ一年くらいでヨガをしている人から聞いたいろいろな話が頭をよぎりました。なんだか年々、わざわざヨガをヨーガにして高尚なものにすることで、かえって日常的な練習から遠ざかってしまう、そいういうプレッシャーのようなものを感じている人がいるような気がして。


今日はそんな背景もふまえつつ、このブログで紹介したことのあるもののなかから特選で10タイトル選びました。
気づいたらこのブログは本の紹介だけで1000記事以上になってしまっていますが、わたしがそらで言えるものを脳内データベースから拾い上げています。今日紹介する本は、以下の基準でおすすめできるものばかりです。

  • 社会生活の中で疲れてダークサイドへ堕ちないためのすべり止めになる
  • 中身にインド思想のエッセンスがぎゅうぎゅう詰まってる
  • 乗り物の中やランチ後など細切れの時間でも読みやすい

 
楽しみですね! わくわくしますね! あなたがこのブログをきっかけに読んだあの本は、入っているかしら〜。
ではではさっそく、まいりましょう。



▼▼▼ 1冊目 ▼▼▼
心との戦い方 ヒクソン・グレイシー 著
いきなりブラジル人ですが、今日はあまりインド人が登場しません。ヒクソン・グレイシーさんはわたしがリアルタイムでその「強さ」を知っている人で、ギーターの教えを心に抱いている人。あわせて「ヒクソン・グレイシー 無敗の法則」もおすすめです。
ヒクソン・グレイシーは格闘家ですが、格闘家って、復讐心があると相手の選手生命を終わりにするようなやりかたもできてしまうそうで、読んでなるほどと思いました。戦いって、そっちもあるのかと。この本では、そういうギリギリのところでエゴに立ち向かって来た人が、その心のさまざまなありさまを語っています。わたしは格闘家の本をけっこう読むのですが、ヒクソン・グレイシーの言葉は群を抜いています。ご本人がギーターを引用することがあるので、インド思想の勉強にもなります。




▼▼▼ 2冊目 ▼▼▼
行動することが生きることである 宇野千代 著
エッセイ集です。もうタイトルからしてヨガ的です。しかも、読んでみるとスワミ・ヴィヴェーカーナンダという有名なインド思想家が話していることを日本の女性が語るとこうなった、みたいな内容でニヤニヤしてしまいます。
宇野千代さんはヨガをされていたかたで、その指導者は中村天風さんというかたなのですが、その中村天風さんが海外でインド人に出会ってヨガを教わることになったときの話もたいへんおすすめです。が、今日のおすすめ基準でいうとやはりこれ。
このブログではこのお二人の本をたくさん紹介してきたので、参考までにリンクを添えておきます。
宇野千代さんの本
中村天風さんの本




▼▼▼ 3冊目 ▼▼▼
風邪の効用 野口晴哉 著
わたしは野口晴哉さんの思想がヨーガの理論のほうの考え方(サーンキヤ哲学)にとてもよく似ているところが好きなのですが、なかでもこれが、いちばん本屋さんで手に入りやすい一冊。人間の生命体の中にある潜勢力をこんなにつぶさに観察して日常の対応にまで引き上げて言語化してくださった方って、いるかしら…。と思っています。
このブログでは野口晴哉さんの本をたくさん紹介してきたので、参考までにリンクを添えておきます。
野口晴哉さんの本




▼▼▼ 4冊目 ▼▼▼
叶恭子の知のジュエリー12ヵ月
インド哲学のいまの主流にヴェーダーンタ哲学というのがあるのですが、その思想と叶恭子さんの表現は、なぜだかどうにも似ています。少し専門的な用語になってしまいますが、生きることに対する視点がブラフマニズム的なのでしょう。




▼▼▼ 5冊目 ▼▼▼
心訳 空海の言葉 松永修岳 著
叶恭子の知のジュエリー12ヵ月」とセットでおすすめです。空海さんの梵我一如も同じくブラフマニズムに近いのですが、道徳基準がいまの社会にフィットしやすいです。この本は訳が説教くさすぎないのがよいです。
このブログでは空海関連本をたくさん紹介してきたので、参考までにリンクを添えておきます。
空海関連本




▼▼▼ 6冊目 ▼▼▼
ヨガから始まる ケン・ハラクマ 著
みんなの知っている現代のヨガ有名人の本をあげておこうとするなら、迷わずこの本です。
北極点をめざしたのときのエピソードが好きです。大人になってからも起こる「ふてくされた気持ち」って、それを自分でいやでも分解できるようになるきっかけがないと、どんどん苦しくなる。そういうことを、なにげないエピソードの数々から教えてもらえるような、そんな本です。




▼▼▼ 7冊目 ▼▼▼
ジョージ・ハリスン自伝 ― I・ME・MINE
わたしはジョージ・ハリスンのことを "本人単体でもすごい能力を持っているのに入社してみたら右の席にビル・ゲイツが居て左の席にスティーブ・ジョブズが居た。そんな会社に入っちゃったような人" と思っています。ややこしいですか。
こういう、そこに身を置くだけでエゴをあらゆる角度で削られまくるという環境や状況って、めったにないと思うんです。この本には、そんなジョージのヨガ物語がたくさん収められています。スピリチュアルに傾倒する人の心のメカニズムをみせてもらったような、そんな本です。エリック・クラプトンも含め、周囲の天才たちよりもすごい神がいると思わないと、やっとれんわなそりゃ。という読み方。
このブログではビートルズについてちょこちょこ書いてきたので、参考までにリンクを添えておきます。
ビートルズとヨガ




▼▼▼ 8冊目 ▼▼▼
西遊記 平岩弓枝 著
西遊記はさまざまな本が出ていますが、この平岩弓枝さんのバージョンがわたしはとても好きです。「天界・人間界・畜生界の三界」「肉体という制限」「仏性」という、ヨーガとも関係の深いありかたを学ぶのに沁みるだけでなく、そのなかに織り込まれていることは自分自身の感情との折り合いや戦い。この物語にある会話から搾り出される胸の締めつけられかたには、自分がだれかグル(師)を求める気持ちになるときのさみしさ、魂のさみしさを圧倒的に認めるざるをえない "あたたかみ" があります。しかも視点は三蔵法師であることが多いため、孫悟空の武勇伝になる瞬間が少なく、子ども向けの西遊記とはまったく違う味わいです。
このブログでは西遊記をカテゴリ化しています。小さい頃から、すきなのです。(ゴダイゴだいすき世代です)
西遊記




▼▼▼ 9冊目 ▼▼▼
門 夏目漱石 著
ひとつまえの紹介の西遊記で "自分がだれかグル(師)を求める気持ちになるときのさみしさ、魂のさみしさを圧倒的に認めるざるをえない" と書きましたが、夏目漱石の「門」には "自分が日本社会の中にある道徳のほかに教義を求める気持ちになるときのくるしさ" が描かれています。いま読んでもまったく他人事と思えない主人公夫妻の状況やコミュニケーションのなかから、いま自分が不安に感じていることが少しずつあぶりだされる。そして光にも気づく。そんな作用を持った小説です。なかでも「門」は格別におすすめしたい物語です。
もともと新聞連載だった小説なので、新聞連載を読むように日常と同時進行で読めるのもよいです。




▼▼▼ 10冊目 ▼▼▼
ガンディー 獄中からの手紙 ガンディー 著 / 森本達雄 翻訳
日本人にとって、たぶん最も有名なインド人のガンジーさん。社会の教書にも登場していたのを覚えています。
ガンジーさんを「丸眼鏡のやさしそうなオーガニックおじいさん」と認識していると、そうとう手痛い目に遭います。インドは日本の8倍の国土に多くの宗教の人が共存する国で、昨今「多様性」などと言い出した日本よりも格段に進んだ精神の歴史があります。そのインドを独立に導いた人の思考は、あらゆる人の「こじれ」「ふてくされ」「ひねくれ」「ずるさ」「せこさ」「依存心」をどこまでも先回りしていて読んでいて驚きます。そしてその導きと実行力の背景にバガヴァッド・ギーターがある。
インド思想の本にいきなり取り掛かるのはむずかしくても、この本が最良の手引になります。



いかがでしたか? あなたのお気に入りは、ありましたか?
今日の紹介は、いまのわたしが選ぶならコレ! というセレクトです。
わたしは本を読むことを「他人がまとめた話を聞く、いただく行為」ととらえていて、そもそも尊敬できる人でなければ読めないとか、おもしろい本とわかっていないと読まないというのはちょっと傲慢な態度じゃないかと思うことがあります。だいたい、会ったこともないまま尊敬できるというのは、いま洗脳されたい相手をまるで洋服のように選んでいるだけ。レビューでなんて、判断できない。消費者ってそんなに受け身? と思ったりするのです。
そんなわたしも、小説を読めるようになったのはほんの数年前のこと。わたしは小説に関しては、小説をたくさん読んでいる友人にとても上手に導いてもらいました。数名の友人に、とても感謝しています。なので、わたしもちょっとばかし、このブログを読んでくださっている人向けに考えてみました。
あらゆる本のなかにヨーガ的なものはあるので、今回は「わたしがおもしろいと思ったのはこういう角度からのやつ!」というものを紹介しました。ヒクソン、強かったもんなぁ〜、とか、映画で見た空海すごかったな…とか、え?宇野千代ってヨガしてたの?とか、そんな気分で楽しんでみてください。西遊記は号泣注意なのでハンカチをお忘れなく!