うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

沖正弘(おきまさひろ・MASAHIRO OKI)


「ヨガの喜び」以後、沖先生の本をよく読むようになり、ここでも多くの本を紹介してきました。
日本では昭和35年頃からじわじわとヨガムーブメントが来て、40年以降に「沖書籍量産時代」のような時期があったようです。
中身はすべて沖先生の言葉なのですが、出版社は多岐に渡っています。スピリチュアル系、学術系ではなく実用書や新書の自己啓発書のような体裁のもが多いのも特徴。「なんかインドでヨガしてきた人がすごいらしい」ということで知られていった時代のムードが伝わってきます。
野口先生もそうですが、だんだん物言いが丸くなっていってしまっているので、そのへんを踏まえて分類してみました。


▼健康法の参考書として定番の風格
ヨガの喜び
これは最廉価版で普及している、「一家に一冊」な本。


ヨガによる 病気をなおす知恵
いびき、腰痛、など症状別リファレンス的に使いやすく、わりと現代語で読みやすい。




野口晴哉先生、亀井進先生の影響が強くうかがえ、潜在意識への言及も多い
ヨガ行法と哲学―人間を改造する
ヨガによる健康の秘訣 からだ編(1冊を3回に分けて紹介)
ヨガによる健康の秘訣 呼吸と食事編
ヨガによる健康の秘訣 こころ編




▼今の時代じゃ出版できなさそうな、沖節炸裂シリーズ
ヨガに生きる ヨガ叢書〈第1巻〉
巻末に、大江健三郎さんとの対談を収録した、時代の勢いを感じる一冊。
沖先生のヨガ道場運営に対する葛藤のようなものを奥様が書かれています。


生活を正す ヨガ叢書〈第2巻〉
これはけっこう名作だと思う一冊。沖先生の宗教観が自然な言葉で出てる。


人間をつくる ヨガ叢書〈第3巻〉
沖先生ならではの表現、オリジナリティも強い。野口先生の刺激を強く吸収して反映されたような雰囲気があります。


病気は治る ヨガ叢書〈第4巻〉
2019年に読みました。胃腸の話や生活習慣病といわれるものに具体的な記述が多く、食べ方指南も参考になります。


ヨガによる人間回復への道〈1〉
道元の禅と仏教に関する記述が多い。Q&Aからの抜粋あり。


ヨガによる人間回復への道〈2〉
沖先生のQ&Aは映像で見るとものすごいのですが、この本ではその様子がすこし感じられる。




▼マニアックなあなたへ
沖ヨガLPレコード 音源が「隠れCD化」されています
異常にハイクオリティなシタール演奏に「うぅーんとのばして、パッ☆と放します♪」の沖ヨガ・アサンス・ガイドが重なる不思議なCDが存在しています。


ヨガの楽園 秘境インド探検記
沖先生の記念すべき一冊目の著作。量産される前なので丁寧だし、インドでの衝撃を文字にした新鮮さがある。


ヨガ入門 精神が肉体を自由にできる
「ヨガの楽園」の改訂版なのですが、表紙装丁デザインが田中一光氏。


冥想ヨガ入門  解脱・悟り・三昧
もっとも宗教色の強い一冊。真言密教と禅への言及が多い一冊。脳の新層・古層の説明がよい。
沖ヨガ修行の「誓いの言葉」はバガヴァッド・ギーターの暗唱に近いノリだし、イスラムの托鉢団に加わったときの経験談も語られています。


あなたも自分で異常が正せる 呼吸体操によるヨガ修正行法
入手困難な本ですが、修正体操について詳しく書かれていました。野口整体でいう愉気に近い印象。今でいう「パートナーヨガ」のはしりのようでもあります。




▼わりとよそ行きの口調で語っている本
生きている宗教の発見 ― だれでも悟り救われる沖ヨガ修行法
沖先生の遺書のような本と言われています。ブーム期にはいろいろな出版社から本が量産され、口述を文字に起こしたものが誤植のあるまま出版されていたりしたのですが、この本は沖先生がじっくり机に向かってしたためていたそうです。


ビジネスマン幹部のための菩薩道入門
ビジネスマン向けの口調で語っているので、慎重でよいです。道場モードの沖先生よりも、わたしはこういう沖先生の本のほうが、引用する内容が西田哲学など、興味深くて好きです。


実践冥想ヨガ 生活編
ライオンズと日立製作所の野球部への講義内容が含まれています。