うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

読んだ本

いらねえけどありがとう 村井理子 著

立て続けにエッセイが出版されていて、つい読んでしまいます。 身近な題材(日常)ばかりなのに、こういうものに出会いずらくなっています。 この本は4つの章があるうちの「Capter3 私たちは、他者との関わりで揺れ動いてしまう存在である」のなかに感情を動…

野菜だより 高山なおみ / おいしい副菜 ほりえさちこ  この二人のレシピをヘビロテしている

冷蔵庫を開けると冷えたおかずが1、2品タッパーに常備されている夏の生活は快適。この春から何品作ってみたことか。 先日、わたしが作り置き自炊生活に突入するきっかけをくれた友人から手紙が届きました。高山なおみさんの本に出会ったことで、材料や工程…

モダンヨーガバイブル クリスティーナ・ブラウン著/加野敬子(翻訳)

先日、書店で右の新しい「モダンヨーガバイブル」(書かれたのは2017年)を見つけて、さっそく手にしました。 続編が出ていたなんて、知りませんでした。 わたしはすでに左の「ヨーガ・バイブル」を持っていて、本の感想をブログに書いたのは17年前のことで…

ふたご母戦記 村井理子 著

子育てを経験していないのに子育てエッセイに夢中です。 著者の村井さんは子育てに介護に仕事に大車輪の日常のなかで、つらい現実のなかに見逃せない要素を見つけ出し、それを記憶していらっしゃる。 読んでいると、ときどき奇跡のような演目(?)に出会い…

東南アジア式 「まあいっか」で楽に生きる本 野本響子 著

わたしは東京に住んでいるけれど、心の中では "インドの人から教わったあのマインドを大切に……" という気持ちで暮らしています。 このマインドは文章にするのがすごくむずかしいです。 言葉にしようとした途端に仮想クレームが脳内で何十個も同時に立ち上が…

タイを知るための72章(エリア・スタディーズ30)

年末年始の旅行のまとめを書く余力がないまま、半年が過ぎてしまいました。 前回タイへ行ったあとに、あれはなんだったのだろう? という光景について、この本をちまちま読みながら、同時進行で5ヶ月がかりで旅行記を書いていました。 今回の旅で気になった…

ゆれる (映画・小説 西川美和監督)

気持ち悪いことを気持ち悪いと表明するのに、かなり技術が必要な世の中になりました。もともと失礼なことではあるのだけど。 気持ち悪いことを気持ち悪いと感じないようになるまでには時間がかかります。慣れと信頼がそれを乗り越えさせてくれます。 気持ち…

はやく一人になりたい! 村井理子 著

どんどん暑くなって、仕事の休憩時間に読む本がエッセイ中心になっています。 村井理子さんの書く文章はタイトルも小見出しもパンチが強め。内容もちゃんとそれに沿っています。被害者意識バリバリ溜飲サゲサゲの展開を巧みに避け、うまいし泣けるしで、大好…

質問力 ― 話し上手はここがちがう 斎藤孝 著

昨年読んだ『コメント力』という本にあった喩えや事例が面白くて、同じシリーズの本を読みました。 この本を読みながら最初にそうそう!と思ったのは、ブルペンキャッチャーの喩えでした。 小さな子と話すときのようにリアクションを返すのはまさに、ブルペ…

過去世/鶴は病みき/東海道五十三次/鮨/老妓抄  岡本かの子 著

ずっと気になっていた作家の短編を5つ読みました。 どんな文章を書く人なのだろうと思っていたら、他人からの伝聞形式を入れた小説はものすごくうまく、語り手の立場に自伝的要素の多い小説は意地悪さがあって、どれも妙なインパクトがあります。 具体的に…

インド文化入門 辛島昇 著

あまり大っぴらに語られないインドの文化を知ることができます。 わたしはヨガクラスで歴史について話すときに「そもそも男性がやるものだった」という部分を話したりするのですが、男女の役割・切り分けがすごくハッキリしている上に身分制度もある、区別の…

めし 林芙美子 著 / 映画・成瀬巳喜男監督・1951年

もし可能なら先に原作を読んでから映画を観てほしいと友人に言われ、そのとおりにしました。 友人は映画を観て、いくつかなんとなく腑に落ちないところがあったみたい。 実際映画を観てみたら、その話を原作から削除して再構成するの?! という要素があって、…

流れる 幸田文 著

わたしにはいくつか、経験から行き着いた座右の銘のようなフレーズがあります。 きっとこういう事なんだと思う経験を繰り返すなかで、自分にフィットしてきた信条のようなものです。 その中のひとつが、まさにこの小説のテーマと同じでした。 自分の居場所は…

何もない空間が価値を生む AI時代の哲学 オードリー・タン(語り)/アイリス・チュウ著

後半にいくにつれヨガの本のように感じられ、道徳経からの引用以降はタオとインターネットの共通点を語るオードリーさんの語りが興味深くて一気に読んでしまいました。 道徳経のすてきな日本語訳がこれまた良くて。元の英訳がとっても詩的みたい。いろんな現…

(再読)シャンデリア 川上未映子 著

少し前に同じ著者の『黄色い家』を読み、この短編がまた読みたくなって再読しました。貧しい子供時代を送った40代女性のお金の話というところが共通しています。 『黄色い家』を読んでからこの『シャンデリア』を読むと、自分の意識が初回の読書と大きく変わ…

(再読)ヨガの喜び ― 心も体も、健康になる、美しくなる 沖正弘 著

17年前に読んだ本をあらためて読みました。 その頃のわたしはほとんど感想を書いていなくて、ヨガってこうなふうにいいものなんだ、自分の人生を変えてくれるものなんだと信じる意気込みを先人の文字を介してインストールしていたことが、今になるとわかりま…

信仰 村田沙耶香 著

ヨガの練習のあとの雑談中に教えてもらった本です。中編・短編とエッセイが8つ収められていました。「冒頭の『信仰』を読んでみて。すぐに読めるから」とおすすめされて読んだのですが、一冊丸々読むことで想像以上に感想が多く湧き出ました。 著者の代表作…

小さいときから考えてきたこと 黒柳徹子 著

ほんとうに小さいときから考えてきたことが書かれていて、自分の価値観や性質に正直であろうと心がけて生きてきた人なんだな、ということがすごく伝わってくるエッセイです。 なかにし礼さんが巻末の対談で絶賛している『赤い松葉杖』という話がわたしもとて…

クリシュナのつるぎ 作:秋野癸巨矢 絵:秋野不矩

このブログを読んでくださっているかたとお会いして会話をすると、「専門的な本、むずかしそうな本が読めないんです」とか「ライフスタイルや自己啓発っぽい本は読むのだけど、小説は読めなくて」と言われて、各自にモードがあるみたい。 先日わたしはその話…

(再読)提婆達多/でーばだった 中勘助 著

わたしがよく思い出すヨーガの教え・視点に 他人の道 自分の道 他者の義務 自己の義務 というのがあります。 バガヴァッド・ギーター というインド聖典の、第3章35節と第18章47節に登場します。 「ここはだいじなとこだから、先生、二回言いますよーーー!(…

日日是好日―「お茶」が教えてくれた15のしあわせ― 森下典子 著

映画を何度も観ていたので内容は知っていたのだけど、読んでよかったと思うことがいくつもありました。 映画は主演が黒木華さんだったので原作よりも現代に近く見えました。だけど原作者は1956年生まれ。少し上の世代の人が書くエッセイのちょっとした喩えが…

いじめのある世界に生きる君たちへ ─ いじめられっ子だった精神科医の贈る言葉 中井久夫 著/構成・編集 ふじもりたけし

少し前に読んだ『台湾はおばちゃんで回ってる?! 』という本に、とても印象的な流れでこの本の紹介がありました。 大人になっても、まるで小学校のいじめの構造じゃないかと感じる状況に置かれることってあるものです。先にリンクを貼った本の著者は、海外で…

なんでも見つかる夜に、こころだけが見つからない 東畑開人 著

心のはたらきを社会環境と重ねながら言語化できる現在の書き手として、今めちゃくちゃ期待されている人。そんな印象を持つほど、都内の書店でお名前を見ます。 いつかこのことについてじっくり書けたらと思っているのですが、わたしは『居るのはつらいよ』を…

娘は娘  アガサ・クリスティー著 / 中村妙子(翻訳)

この本を読み終えたのは半年以上前で、どうやってこの感想を書こうか、ずっと考えてきました。考えているうちに三回読みました。 アガサ・クリスティの人が殺されないシリーズ(メアリ・ウェストマコットというペンネームで書かれたシリーズ)をこれまで5冊…

サイエンス・オブ・ヨガ  アン・スワンソン著/高尾美穂 (監修)

昨年かおととしの自粛期間中に書店でこの本を見つけて「あらー! これ日本語版出てたの?!」と即買いした本の紹介を忘れておりました。 英語版が出た頃にものすごく読みたくて買おうか迷っていて、その後、気がついたら2019年の終わり頃に日本語版が出ていま…

スマホはどこまで脳を壊すか 川島 隆太 (監修)/榊浩平 (著)

社会のデザインが「スマホありき」になっている場所が増え、いよいよデジタル社会なのだなと最近になって思っています。 身近な例でいうと、わたしが自分の練習のために通っているヨガスタジオの入り口でのチェックインが「スマホありき」になりました。 そ…

高山ふとんシネマ  高山なおみ 著

ぶりっ子おばさん・少年おじさんみたいな、ひらがな多めの文章を嫌う時期があった。 話の中身を読むと意地悪な大人なのに、まるで子供に語りかけるような文体で煙に巻く雰囲気のつくり方がいやらしいと思っていた。 この本の高山さんの文章はひらがな多めで…

黄色い家  川上未映子 著

三ヶ月間の長い海外旅行をしたことが一度だけある。 インドでヨガの道場に入って勉強中心の時間割だったけど、その前後に数日間旅行もできた。いまでもたまにその頃のノートを読み返している。 その道場は9月の連休で行った旅で見つけ、年度末に消える休みを…

高山なおみさんののんびり作るおいしい料理

友人宅で食べたサラダと焼き物がどれも美味しくて、台所に広げてあったレシピ本を真似して買いました。 毎週食べたくなる、定番にしたくなるメニューばかりです。友人がササッと作ってくれた「れんこんきんぴら」を真似するためにナンプラーを買って、自分で…

(再再読)夏物語 川上未映子 著

友人がこの本を読んだそうで、「あの小説の主人公の元カレについてどう思った?」と訊かれました。覚えていなかったので読み直しました。 これまでに二回読んでいます。 過去の自分の感想(再読のほう)を読んだら、別の友人も同じ登場人物のことを話してい…