うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

生ブログ

ありがとうさようなら燕スタジオ

写真を整理していたら、昨年の12月で終了した燕STUDIO(ツバメスタジオ)のものが出てきました。あらためて「いいスタジオだったなぁ」と回想しつつ、スナップをログに残します。 この建物は作家(思想家、なのかな)の山本七平さん旧邸宅。わたしにとって、…

正論だけど…。急に主語を拡大されると、なんだかヒいちゃう(夏目漱石「虞美人草」読書会での演習より)

夏目漱石の「虞美人草」はラストがジェットコースターで、そのなかにひとつ「人が人を諭す」場面があります。 その場面のセリフを読んで 「説得された、ジーンと来た」「問題解決能力が高い人が言っているので納得する」 などの意見があるいっぽうで、 「説…

まじめについて、まじめに話した(夏目漱石「虞美人草」読書会での演習より)

夏目漱石の「虞美人草」はは玉虫色の言葉「真面目」について、とことん考えさせる作品です。 「虞美人草」の読書会では、「真面目」について掘り下げる演習をやりました。 これを他の言葉に置き換えようとすると、どんな言葉が浮かぶか 同じ場面の同じ文章を…

自分が大切すぎる問題(夏目漱石「それから」読書会での演習より)

「それから」という小説は主人公のキャラクターが強烈な設定。 先日関西で開催した読書会では「自我意識(アハンカーラ)」よりも「理性・統覚機能(ブッディ)」のほうに寄せて構成したのですが(前にすこし様子を書きました)、参加者さんの宿題コメントに…

自分の中に発現した「イラッとness」に向き合う(夏目漱石「それから」読書会での演習より)

半年ぶりの夏目漱石読書会を終えて関西から戻ってきました。 読書会といっても実際はインド思想に登場する「こころのはたらき」を示すワードを使っての演習なので、文学的な深堀りを目的としたものではなく、多眼観察のような時間です。 「それから」は恋愛…

大人の遠足 ざっくり100回、雑感

厳密に数えたらそれよりも多いかもしれないのですが、「大人の遠足」と名づけているヨガクラス(メニュー由来はこちら)が、100回を越えていました。東京のほか、神戸、京都、名古屋、長岡でやりました。ご参加いただいたみなさん、どうもありがとうございま…

「自分の手でつかみたい」という気持ちを大切に

先日、3年ぶりの包括的哲学講座をやってきました。田舎でしっぽりやるつもりが、わりとワイワイしました。新潟までおいでいただいたみなさん、どうもありがとうございました。 この日は冒頭で、かねてから思っていることを話しました。「あまり目立つお知ら…

「あなたのためを思って」話法・技巧の話(夏目漱石「虞美人草」読書会での演習より)

先日「関西弁での心理分解が妙にしっくりきた」というトピックを書きましたが、夏目漱石「虞美人草」読書会からの掘り下げ内容共有です。 これは「虞美人草」を読んでからのほうがおもしろい展開なので、小説を読むつもりの人はぜひ読了後に読んでください。…

ボディは、好奇心を運ぶ乗り物

先日の神戸生ブログは、中国・四国地方から多くの参加をいただきました。京都・奈良・和歌山などの斜めの方面も含め、ありがたいことです。(ありがとうございます)おいでいただく人を見ていると、みなさん好奇心の火を絶やさない姿勢がすばらしいなぁ、と…

関西弁での心理分解が妙にしっくりきた(夏目漱石「虞美人草」読書会での演習より)

わたしの進行する夏目漱石読書会(という設定でのインド哲学クラス)は、事前に課題図書と宿題のある形式なのですが、いちど乗り越えるとクセになるのか(笑)リピートをいただき、東京ほど頻繁には開催できない関西版も、今回で3回目。 今回の課題図書「虞…

Googleアナリティクスで市区町村を見て行動してみる

わたしはこのブログにアクセスしてくれている人の「地域」をよく見ます。 以前はざっくり都道府県しか見ていなかったのですが、最近は市区町村まで見るようになりました。 Google Analyticsでは、なぜか「八尾市」「鶴ヶ島市」が漢字。こういうのって、探偵…

オトナの再会

先日、市ヶ谷のヨガクラスに、ものすごく久しぶりの人がふたり、テヘヘって感じでおいでになりました。 わたし自身が場所を固定して活動していないので、「あれー、どこで会ったっけ?」となることが、たまにある。いまはこの場で告知できるヨガクラスをやっ…

一郎さんへの容赦ないツッコミ・インド仕立て(夏目漱石「行人」読書会での演習より)

先日、夏目漱石「行人」読書会での演習のなかから「日常にあふれるマウントの回避技術を二郎さんから学ぶ」というトピックを紹介しましたが、今日はコイバナです。いや、コイバナになるかと思いきや、そっちに行かなかった。という話です(笑)。 この「行人…

日常にあふれるマウントの回避技術を二郎さんから学ぶ(夏目漱石「行人」読書会での演習より)

夏目漱石読書会では5作品目になる「行人」の読書会をやりました。 この作品はヨーガ周辺の哲学を包括的に説明できる題材が多いのですが、雑談ベースのやりとりも楽しい。 一郎という人物のこじらせっぷりがメインディッシュになるのは想定していたのですが、…

もしも、Kがまっすぐにふられていたら(夏目漱石「こころ」読書会での演習より)

「山本七平の日本の歴史」を読んだら、また「こころ」熱が再燃してしまいました。 これは東京でも神戸でもやった演習。『夏目漱石作品をヨーガ心理学で読む会』では、参加者の vasana(仏教では「習気」「薫習」、ヨーガでは潜在記憶) と smrti(記憶されて…

クラス自体は緊張しなかったけど、方言で汗かいた

昨年末に関西・四国・中国地方のかたと、今月は東海地方のかたと一緒にヨガをしました。 愛知・岐阜・三重はデータとして閲覧者数が多いわけではなかったので、しっぽりやる感じで想定していたのですが、静岡も含めて思いのほか多くの人が来てくださいました…

都合よく共感する脳。ある女性と女性の実例(夏目漱石「坊っちゃん」読書会での演習より)

人というのは同じ文章を読んでも共感ポイントが分かれる。脳は勝手なものだから、都合のよい記憶を引き出して紐づける。読書会をすると「おお。その角度、状況からすると、そうか!」ということがたくさん発生して、自分がいかに自分の定めた二元論のなかで…

ギャグの応酬が止まらないグルジ(夏目漱石「坊っちゃん」読書会での演習より)

今年からはじめた読書会兼インド哲学座学も、早いもので夏目漱石作品がこれで4つ目となりました。 「坊っちゃん」はライトな展開で進行するつもりが、「こころ」並に深いところまで潜り込む、潜水艇旅行のような読書会になりました。でも出だしは軽快に、他…

「因果の束縛」と「徳義上の苛責」(夏目漱石「門」読書会での演習より)

夏目漱石読書会(という名目だけど、半分はインド哲学クラス@台所)からの演習紹介です。 参加者さんに提出いただく事前宿題やディスカッション中に『「こころ」の別バージョンのように感じた』『安井君は、Kに似てる』などのコメントがありましたが、「門…

理解されるとうれしいこと

だいぶ前の話になりますが、神戸の生ブログに参加いただいた方からのコメントに、こんなひとことがありました。 「最後に集合写真の召集がないのがとても気に入りました♪」 ご理解いただけるかたが、ここにも。こういうことって、わたしからは言いにくい。 …

天職って? svadharma と svakarma

以前「svadharmaのみつけかた(実例ベース)」という、生ブログから派生したエピソードを書きましたが、今日はもう少し本来の語の意味に沿って書きます。 わたしが気まぐれに開催しているバガヴァッド・ギーターの勉強会は、参加者がセレクトした節について…

男同士の戦争の踏み台でしかない女。そして実は明るい女(夏目漱石「こころ」読書会での演習より)

タイトルは夏目漱石の「こころ」に登場する女性・静さんのことを指しています。 「こころ」の読書会は東京で2回・神戸で1回行いましたが、女性たちは東も西も、ここを見逃していなかった。 「そもそも先生は、Kがお嬢さんを好きにならなければ、火が点かなか…

検品モード?! ボディは語る。癖に教えてもらおう

かねてより「1ポーズを1時間かけて徹底的に説明したい」という思いがあり、関西でやってきました。ニュー・ボディもいっぱい来てくれて、うれし楽しかったです。 1日目は「癖=治すべき」ではなく、「癖が出る=いざというとき、身体はそこを頼りにしている…

svadharmaのみつけかた(実例ベース)

関西のギーター読書会で解説が svadharma に及んだときに「そう! わたし、この svadharma が知りたくて……。これさえわかれば、と思うんです。ヨガの先生に聞いても "観察するしかありません" といわれて……」という質問を受けて、わたしの回答もその先生の回…

記憶の連鎖の変化球(夏目漱石「こころ」読書会での演習より)

関西で夏目漱石読書会をやりました。読書会といっても『夏目漱石「こころ」をヨーガ心理学で読む会』なので、ディスカッションはインド哲学の要素を頭の中におきながら進行します。この作品には生と死、自然と不自然、性善説と性悪説、輪廻思想のない人・あ…

愛の半面 / Kとジョージ / 真宗(夏目漱石「こころ」読書会での質問より)

今日は東京の読書会参加者さんからお話いただいたいくつかの事項のうち、以下の三つについて書きます。読書会ではできるだけいろいろな話をしたいので、先に出せるネタは共有してしまえ〜。というわけです。 「愛の半面」はなぜ「反面」ではないのか 「Kって…

ネットで存在を知られ、ナマで会うこと

先月、長らく会っていなかった知人男性が「うちこさんがやってるヨガ、いきますよー」といって実際に来てくれたのですが、そのときの感想が、ちとおもしろいものでした。 この人とは目的が明確なところで知り合い、以後もその目的のところでしか会わない野球…

こどもインド哲学は動物園だった

かれこれ2年仕込みになるでしょうか。先日、わたしがかねてより構想をあたためていた、子育てをしているひと向けの「こどもインド哲学」座学を開催しました。制限として妊婦〜7歳(受胎から8年)までのお子様を育てている方としており、それはマヌ法典にある…

貯金の親切、投資の親切(夏目漱石「三四郎」読書会での演習より)

今年から読書会形式の集いを始めまして、そこではさまざまな演習をするのですが、今日はそのなかからライトなネタを紹介します。 この日の課題図書は「三四郎」。この小説に出てくる広田先生の思想は思いっきりシャンカラなので、インド思想ベースでの読書会…

物足りない結果(夏目漱石「こころ」読書会での演習より)

今年から読書会形式の集いを始めまして、そこではさまざまな演習をするのですが、今日はそのなかからライトなネタを紹介します。 参加者の vasana(仏教では「習気」「薫習」、ヨーガでは潜在記憶) と smrti(記憶されているもの) をキーにグルジの意図を…